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【街物語】(2)人をつなぐ郷土の鎖 「二十四の瞳」と小豆島 (1/4ページ)
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平成12年2月、瀬戸内海に抱(いだ)かれた香川県小豆島の苗羽小学校体育館で、島出身の小説家、壺井栄の生誕100周年を記念して名作「二十四の瞳」の演劇が披露された。
「皆さんは美しい目をしていますね。それは皆さんが汚れのない美しい心を持っているからです」
舞台で白いブラウスとスカート姿の大石先生が、かすりの着物を着た小さな子供12人に語りかける。出演者150人、裏方150人の全員が島民。ほとんどの人が演劇とは無縁の生活を送っていたが、けいこを重ねて自然な舞台になっていた。町教育委員会職員として配役、演出を手がけた照木秀公(67)は舞台袖から演技を見守り、ほっと一息ついた。
「岬の分教場」に赴任した新米の大石先生と子供たちがきずなを強めながら、貧しさや戦争の中で懸命に生きていく姿を描いた作品は、「おらが町の物語」でもある。なのに当初、島は盛り上がりに欠けていた。島民参加の演劇にこだわったのは、「島のおっちゃん、おばちゃん、子供を演劇に巻き込めば、関心が高まると思った」からだった。
狙い通り、島は演劇の話で持ちきりになった。スーパーでは「素人が芝居しよる。うまいことできよるか」「うまいことやりよるらしいぞ」。喫茶店でも「町の金を使って、何をするんじゃ」。良くも悪くも注目を集め、昼と夜の部のチケット計1600枚は残らずなくなった。









