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【プレーバック談話室】(5)「ぬいぐるみに亡き祖父の愛」一目会いたかった…
投稿で紹介された、この犬のぬいぐるみは全長約70センチで白色。幼いころの佐藤昭太さんには、またがるのがやっとの、“大きな存在”だった。
佐藤さんは4歳上の姉と2人きょうだい。生まれる数カ月前に病気で亡くなった母方の祖父、今(こん)清さんは山形県小国町で腕のいいトタン屋根の職人として知られていた。享年55だった。
佐藤さんの母、きよ子さんによると、ぬいぐるみは「上の子へのクリスマスプレゼントを買いに行った際、(今度生まれる)赤ちゃんの分、ということで一緒に買ってくれたもの」と話す。
幼いころから「この犬はあなたのおじいちゃんが買ってくれたのだから大事にしなさい」と言われて育ったためか、佐藤さんは「じいちゃんに少しでいいから会いたかった」。ただ、きよ子さんから写真を見せられたり、話を繰り返し聞かされたりするうちに「心の中に“優しくて子煩悩”なイメージができあがった」と話す。
子供のとき階段から落ちたときにけがもせずに済んだのも、「じいちゃんが天国から見守ってくれていたからだと思う」と語り、投稿の際は「書いているうちに、会えるのなら会いたかったという気持ちがわき上がり、それをはき出すように文字にした」と振り返った。
■最初で最後の贈り物
(大学生、佐藤昭太=19)
私は祖父に会ったことがない。私が生まれる数カ月前に死んでしまったからだ。
私も一度ぐらいは祖父の顔も見ておきたかった。どうせ覚えてはいないだろうけど、それでも見ておきたかった。
そんな祖父から私への最初で最後のプレゼントがある。大きな犬のぬいぐるみだ。
私が物心つく前から私のそばにいた。小さいころはお気に入りでよく遊んだ。さすがに大きくなってからは遊ばなくなったが、捨てられなかった。祖父からの贈り物だし、愛着があるというのもあるが、私は小さいころ、こいつに助けられたことがあるのだ。
すごくぼやけた記憶だが、私がまだ言葉もうまくしゃべれないころ、階段を下りようとして足を滑らせた。転げ落ちるところだったが、抱いていたこいつがソリのようになり、階段を滑って無事に下に着いたのだ。
男の部屋にぬいぐるみというのも気持ちが悪いが、やっぱり捨てられない。このまま飾っておこう。
(千葉県我孫子市=11月4日)

