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【話の肖像画】葉っぱを売った男(3)「いろどり」副社長 横石知二さん

2007.12.24 04:19
このニュースのトピックス防災・交通安全

 ■パソコン操るおばあちゃん

 ≪平成8年、農協から役場に移籍する形で上勝町にとどまったものの、農協で始めた「彩」事業は営業、市場分析、現場管理を1人で担っていた横石さんを欠き、売り上げが激減してしまう。農家の強い希望で3年後、横石さんは「彩」を第三セクター「株式会社いろどり」として独立させ、責任者に就任する≫

 −−なぜ三セクにしたんですか

 横石 もうけを第一に考えるならNPO法人(特定非営利活動法人)や財団法人より、株式会社がいい。ただ、おばあちゃんたちを主役にしたかった。彼女たちが、葉っぱは自分の商品でそれが利益になっているということを意識し続けてほしかった。農家の報酬は今も完全な歩合制。もうだれも「補助金くれ」なんて言わなくなった。

 ≪近年、全国でつまもの産地ができているが、市場に定着する成功例はないという≫

 −−「葉っぱを売る」だけの単純な商売ではない

 横石 まず、商品は全部栽培もの。その辺の落ち葉を拾うわけじゃない。農家のノウハウも教えてできるもんやない。葉っぱ自体は商品の5%で、あとの95%は情報やこれまで構築したシステムであって、ぱっと1年やそこらでは無理やろうな。モノを売る場面づくり、「演出」が大事。1キロ100円のミカンでも、会議で食べられるようにおしぼりとゴミ袋をつければ、1個100円で売れる。おばあちゃんの出番づくりも演出。

 −−「いろどり」では町の防災無線ファクスを使い、市場の注文を毎日農家へ一括送信。おばあちゃんたちもパソコンで価格動向や翌日の出荷目標をチェックする

 横石 みんなおばあちゃんたちのやる気を持続させるため。パソコンでは自分の売り上げが毎日見られて、生産農家の中でその日何位だったかまで分かる。みんなすごい競争で、使い方の特訓なんかいらないよ。人より、もうけるには「いろどり」のサイトに出てる情報が必要だから、すぐ覚える。機械は道具に過ぎんのよ。

 −−「いろどり」の社長は町長。自分以外の社員は4人。でも商品の「演出」の裏方作業はほぼ1人でこなしている

 横石 農協を辞めたとき、自分にのっかってるものが、どれだけ大きいか痛感した。「言われたとおりに作れば必ず売れる。いつでも成功させてくれる」という農家の期待やね。おばあちゃんを主役に、いつも一緒だよという気持ちで365日これを稼働させるのは大変よ。実際、今年は1日も休んでいない。後継者を育てる必要もあるけど、なかなか人には任せられんね。

 (村山玲子)

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