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【話の肖像画】葉っぱを売った男(1)「いろどり」副社長 横石知二さん
■過疎を変える「ひらめき」
《“葉っぱビジネス”の舞台は、四国で一番小さな町、徳島県上勝(かみかつ)町。日本料理に添える「つまもの」と呼ばれる葉っぱを育ててつんで出荷するビジネスを、年商2億6000万円規模に成長させた。何よりも生産の担い手である平均年齢70歳、農家のおばあちゃんたちが元気になった。海外からの視察も来るようになり、横石さんは今年、ニューズウィーク誌日本版の「世界を変える社会起業家100人」に選ばれる》
−−上勝町との縁は?
横石 昭和54年、農業大学校卒業後に入ったのが上勝町の農協。上勝は主力産業のミカンや林業が衰退、若者が流出して過疎が進んでいた。ある雨の日に農協に出勤したらびっくり。仕事のない農家のじいさんが一升瓶持って集まってるんよ。酔って「国が悪い、補助金が足りん、お前はわしらに何してくれる」って愚痴る。その負け意識がうっとうしかった。
−−おばあさんたちは
横石 もっとやることがなくて家の軒先でお隣さんと嫁の悪口。暇はいかん。この人たちが夢中になれて収入になる仕事を見つけないと、とずっと思っとった。
−−ひらめきは7年後に
横石 61年秋、大阪でスダチを納品した帰りの夜。難波のすし店にいた客の女の子が皿についてきた赤いモミジの葉っぱに大喜びしてたんよ。「これかわいいなあ、持って帰ろ」って。あんな葉っぱ、上勝にはいくらでもある、これならおばあちゃんでもできる。絶対売れる、そう確信した。
−−反応は?
横石 おばあちゃんたちはあきれとったね。「葉っぱがお金になるやなんて…タヌキやキツネのおとぎ話や」って。それでも翌年、おばあちゃんに頼み込んで、山で採ってもらった葉っぱをそのままパック詰めした新商品を「彩」と名づけて出荷してみた。農協の新しいビジネスとして。でも結果は大赤字。あきらめかけた時、ある料理人に「これは使わん」と言われ、つまものを使う調理現場を知らないことに気づいた。
《現場を知ろうと料亭通いが始まった。だが、思わぬ壁にぶちあたる》
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【プロフィル】横石知二
よこいし・ともじ 昭和33年、徳島市生まれ、49歳。54年、徳島県農業大学校卒業後、上勝町農協に入り、営農指導員に。63年に立ち上げた、つまもの販売事業「彩」を平成11年に、第三セクター「(株)いろどり」に改組し、現在は副社長。起業家に贈られるアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー日本大会特別賞。自著に「そうだ、葉っぱを売ろう!」。

