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【やばいぞ日本】座談会(3−1)退路断つ「覚悟の戦略」を (2/5ページ)

2007.12.20 03:43
このニュースのトピックス癒やし・ペット
山折哲雄氏山折哲雄氏

 ですから国を守ろうとか、あるいは企業も役人も、外に向かっていかに競争力を強めていくかということをだんだん考えなくなり、内ばかり見るようになった。仕えやすい上司、付き合いやすい同僚、使いやすい部下がいいということになり、そういう人が組織の中で重んじられる形になっている。

 冷戦時代に米国の保護下で日本が自分で自分を守らなくてもいい、という、ある種の温室の中では、その仕組みは機能し得たと思う。ところが、冷戦崩壊後に米国から突き放され、あるいはバッシングされる事態になって、四分五裂の迷走状況になったまま、それがいまだに続いている。

 すべてにおいて受動的で、主導性を失ったのが日本の戦後の特色。小泉元首相、安倍前首相はその中でリーダーシップを発揮しようとしてある程度成功したが、今また逆戻りし、帆もエンジンも舵もない状況になっている。

 宮家 この連載には日本の劣化が書かれている。個人の劣化では教育の問題や政治家・役人の体たらく、社会の劣化では国家戦略のなさ、縦割り主義などが繰り返し指摘されている。

 私が印象的だったのは、ままごとで「お母さん役のなり手がなく、子供たちはペット役をやりたがる」という記事(11月8日付)です。子供たちの世代から変質が始まり、劣化がかなり深く進行していることは衝撃でした。

 中満 12月4日発表の経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査で、一番ショックだったのは日本の生徒の学習意欲が他の先進国と比べて格段に低いこと(注1)。理由を考えると、恐らく目的意識がなくなってしまったのではないでしょうか。

 戦後ずっと米国に追いつき追い越せ、と一丸となって頑張ってきたのが、実際豊かになってみて、そのあと一体どこに行ったらいいのか、その後の方向性がどうも見えてこない。そのことが、日本の現状で一番危惧(きぐ)すべきことだと考えます。

 −−なぜ、こうなったのでしょう

 中満 根本的な問題点は、いい意味での「個」が日本では確立していない。当事者意識がすべてのレベルで非常に希薄であることが原因と考えます。個が確立していることは個人主義とは違う。個が確立していないと主体的にものを考えず、誰かがきっと何かを考えてくれ、それに従ってやっていけば、これまで通り豊かな生活ができるのではないか、と思っている。

 明治維新以降、日本は均質的に非常にレベルの高い国民を公教育を通してつくることに成功したと思う。

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山折哲雄氏
宮家邦彦氏

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