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【やばいぞ日本】座談会(3−1)退路断つ「覚悟の戦略」を (1/5ページ)

2007.12.20 03:43
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山折哲雄氏山折哲雄氏

 本紙連載「やばいぞ日本」(7月3日付から66回)を受けて、日本の劣化の原因や克服策を探ろうという座談会が産経新聞東京本社で開かれた。出席者は宗教学者の山折哲雄、JR東海会長の葛西敬之、元外務省中東アフリカ局参事官の宮家邦彦、一橋大学客員教授の中満泉の4氏(本文は敬称略)。約1時間半の論議は、以下の救国シナリオに集約された。(1)日本は危機的な状況を迎えているのに、日本人は深刻さに気付いていない(2)競争力を強めるため、退路を断って思い切った改革を断行する(3)そのためには「覚悟の戦略」をもったリーダーが必要だ(4)年長者が次世代をきちんと教えて人間関係を安定させるーなど。(司会は「やばいぞ日本」取材班キャップ、中静敬一郎・論説副委員長)

■動画はこちら「やばいぞ日本」特別座談会「退路断つ『覚悟の戦略』を」

 −−日本の現状をどう見ますか

 山折 連載を拝見して、日本社会の劣化が行くところまで行き、この先は沈没しかないのか、と感じた。

 戦後60年、われわれの社会は家庭でも学校でも職場でも「人間関係が大事だ」と言い続け、その結果、人間関係そのものが非常に不安定になった。

 何が欠如していたのかというと、親子や師弟の関係でも、技術や知識を年長の者が次の世代にきちんと教えていくという教育の垂直軸というものを問題にしなかった。これがかえって人間関係そのものの基礎を崩した。

 それから水平軸が横並びの平等主義となり、互いの足を引っ張る構造を作り上げた。垂直軸がしっかりしていれば、嫉妬(しっと)や怨念(おんねん)はかなりコントロールされる。それが正当な人間関係の中に吸収されず、ライバルや憎しみの相手に向けられ、社会の中に蓄積している。子殺し、親殺しなどの残虐な事件が多発しているが、蓄積した嫉妬や怨念が外に向かうと殺意になり、内に向かうと自殺を引き起こす。外にも内にも向けることができない人間は行き場を失って鬱(うつ)になっている。

 教育を中心にあらゆる社会組織の中に垂直軸と水平軸という立体的な体系を築き上げなかったことが問題だ。

 葛西 戦後の日本は、すべての人の考え方が内向きになっている。国というものは中を束ね、外に向かって戦略的に自己主張することにより、国益を推進するための組織でなければならず、そのためにリーダーが必要だ。

 これが明治以来の近代化のプロセス。担い手は戦うことを職業とする武士だったが、戦後日本は、その戦うことを否定することから始まっている。

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山折哲雄氏
宮家邦彦氏

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