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【産経抄】12月14日
このニュースのトピックス:大阪府政
一時のブームは下火になったものの、いまだに「A型は几帳面(きちょうめん)」などと血液型で性格を判断する風潮は残っているらしい。首相官邸のホームページを開くと、福田康夫首相のプロフィルにも、血液型が書いてある。
▼数年前には、家電メーカーが、マイナスイオンをうたった商品の宣伝を競ったことがある。菊池誠大阪大学教授によれば、これまで行われてきた心理学の調査から、血液型と性格との関連性は見つかっておらず、マイナスイオンが「体にいい」という説も根拠がない。いわゆるニセ科学の見本といっていい。
▼日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ「今年の漢字」は、「偽」だった。食品の偽装、改竄(かいざん)の問題がとめどなく続いているとあって、大方の予想通りだった。産地や賞味期限を偽った企業の罪は、いくら糾弾してもしすぎることはない。
▼一方で、製造年月日の表示が消費期限や賞味期限に変わったことの弊害を指摘する専門家もいる。かつては、日にちがたった食品のにおいをかいだり、味見をする光景はどこの家でも見られたものだ。今や食べられるかどうかの判断を、すべて作り手にゆだねてしまった。五感の衰えは、本物とニセモノを見分ける力の低下につながっている。
▼ニセ科学に対する批判を続けている菊池さんも、受け入れる消費者の問題点を見逃さない。「信じたいこと」と「信じていいこと」の区別をつけて、自分で考えることの大切さを講演などで、訴えている。
▼来年1月に迫った大阪府知事選の候補者が、ようやく出そろいつつある。有権者には、常にもまして、候補者の発言に耳をすまし、五感を働かせ、自分で考えてほしい。なにしろ、政治家の公約にも、ニセモノがはびこる世相なのだから。