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【話の肖像画】徹底捜査せよ(5)前警察庁長官 漆間巌さん
■「情報」に強い警察目指す
≪日本をめぐる犯罪情勢は国際化、組織化、凶悪化、サイバー化など、多面的な悪化を見せている。漆間さんは警察組織のトップとして、新しい時代の犯罪に対処するため、警察の情報力を高めることに重点を置いた≫
−−警察についてどんな将来像を
漆間 情報に強い警察になる必要があるでしょう。テロや犯罪組織など国際的で組織化された犯罪に対処するには、やはり情報。その一環で外事部門や組織犯罪対策部門では、捜査官が海外に行って直接情報収集できるようになっています。
今年、犯罪で得た利益を隠すマネーロンダリング(資金洗浄)への監視を強めるため、金融庁にあった監視部門を警察庁に移管しました。これは相当な武器になります。
国内犯罪でも、複数の管轄にまたがった事件や振り込め詐欺、ネット犯罪などでは、中央にある警察庁の役割は高まってくるでしょう。
≪漆間さんが「情報」の重要性を力説するには理由がある。1等書記官として旧ソ連に在勤中、日本の情報収集力の高さと、情報収集の重要性を実感した出来事に遭遇したからだ≫
−−大韓航空機が旧ソ連空軍機に撃墜されたのは、モスクワ在勤中ですね
漆間 東京の外務省から緊急指示で、とにかく陸路で撃墜現場に近いモネロン島に渡って情報を収集して送れ、と言ってきまして。結局、現場には外務省職員が船で行き、私はほとんど情報らしい情報は集まらず、外務省に連絡すると、すでにかなりのことを知っていたんです。なぜ、こんな情報が取れるのだろうと不思議に思ったのですが、それをやったのが、当時の防衛庁陸幕調査部調査第2課調査別室、通称「調別」と呼ばれる部署だったんです。
調別は、ロシアや中国、北朝鮮など極東の軍事無線を傍受して、その動きを収集、分析するのですが、その能力はすごい。聞けば、軍事情報は米軍にも供与される。そんなに頼りになる機関が日本にあるということに、驚きを覚えましたね。
−−その仕事もすることに
漆間 私自身、昭和62年から平成元年まで、調別の室長をやらせてもらい、とてもいい経験をしました。
−−そこでも、ロシア語が生きたわけですね
漆間 ええ。人生の流れというのは不思議なものですね。偶然に導かれている。伏線の出合い、結果が一本の糸のように連鎖していくんです。(加藤達也)=おわり
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【プロフィル】漆間巌
うるま・いわお 昭和20年、東京出身。東大法学部卒。在モスクワ日本大使館1等書記官、警察庁外事1課長、警備局長、次長を経て今年8月まで長官。

