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【話の肖像画】徹底捜査せよ(4)前警察庁長官 漆間巌さん
■「警察 おもしろそう」
《警察庁長官として、しばしば“サプライズ”を起こし、警察組織に対して叱咤(しった)激励の発言をした。トップが考えを思い切って言うことによって組織に勢いをつけ、難局を乗り切ろうという考えからだった》
−−昨年の新春の記者会見で「今年、勝負に出なければならないのは拉致」と発言。担当の警備局が慌てるということがありました
漆間 それで、みんなやる気になって必死にやったでしょう。あれでずいぶん捜査に勢いがついたはずです。
−−確かな見通しは?
漆間 捜査力は信頼するにしても、どこかに「古い事件だ」という意識があると、うまくいかない。だからトップが思い切って言い切ってしまったほうが、改めて意識付けができて、仕事が進むだろうと思ったのです。
あのタイミングを外してはできないとの思いもありました。捜査員はよくやった。しかし、被害者の帰国に至らなかったことは、実に残念です。
−−警察関係の不祥事が起きると、「言語道断」などと厳しい言葉を使っていましたね
漆間 それでも、不祥事の根絶は果たせませんでした。今年8月には、現職警察官が女性を射殺して自殺する事件も起きてしまった。
《父は警視庁幹部、兄も警察庁キャリアという環境で育った。物心ついたころには、警察官への興味が芽生えていた》
−−子供時代から警察とかかわりを
漆間 こんなことがありました。幼稚園に通っていなかったので、小学校入学前は昼間から東京・目白の署長官舎の近くで遊んでいたのですが、昭和26年5月、貞明皇后が亡くなられ、遊び場だった目白通りを葬列の馬車が通ることになりました。興奮していたのでしょうか、道路を横切ろうとしたその瞬間、「おいっ」と声がして。沿道警戒の警察官に捕まっちゃったんですよ。
−−警察にどんなイメージを
漆間 物心ついたらおやじが署長で、官舎住まいでした。警察に興味をもちました。10歳上の兄が、警察庁に入っていまして、昭和39年ごろ、捜査2課長として宮城にいたところに、遊びに行ったことがあります。そのとき、捜査員が家に上がり込んで、別の部屋で、捜査の検討をしていたのが、実におもしろそうで。刑事にひかれましたね。(加藤達也)
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【プロフィル】漆間巌
うるま・いわお 昭和20年、東京出身。東大法学部卒。在モスクワ日本大使館1等書記官、警察庁外事1課長、警備局長、次長を経て今年8月まで長官。

