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【明解要解】「危機遺産」とは (1/2ページ)
このニュースのトピックス:世界危機遺産
■天災、人災…「影の側面」表す
古代遺跡や貴重な動植物など、今や観光の目玉となった国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産。現在851件(うち日本は14件)の世界遺産のうち、危機に瀕(ひん)した世界遺産が30件登録されている。その背景には台風や地震などの自然災害のほか、戦争や都市開発、観光化による人災の側面が挙げられる。世界遺産の中で影の側面といえる危機遺産についてまとめてみた。(特集部 押田雅治)
危機遺産の第1号は、1982年に登録された「エルサレムの旧市街とその城壁群」だ。3大宗教の聖地があり、宗教と歴史がからみあった土地の帰属をめぐる紛争や都市開発、観光被害などが理由。いまも指定は解かれておらず、危機遺産登録の最長記録を続けている。
そもそも世界遺産を創設しようとしたのは60年代、ダム建設のため水没の危機にさらされたアブ・シンベル神殿(エジプト)を救済しようとしたことがきっかけ。人類の宝物を守り、後世に残そうというのが世界遺産の精神であり、危機遺産に登録して保全していくことがその具体的な取り組みとなる。
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今年7月現在、危機遺産に指定されている30件は、文化遺産が17件、自然遺産が13件。問題はその登録理由だ。
危機遺産が一国で5カ所も登録されているコンゴ民主共和国のような国もある。「カフジ・ビエガ国立公園」は、96年当時250頭いたゴリラが半減し、「ガランバ国立公園」は30頭いたキタシロサイが4頭の確認に減っている。内戦や密猟によって自然環境が破壊されたのが登録理由で、明らかに人災だ。

