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【産経抄】10月24日
このニュースのトピックス:沖縄集団自決
相撲好きの三遊亭円楽師匠がお得意だったネタの一つに「花筏(はないかだ)」がある。ある相撲部屋が、地方巡業に出ることになった。ところが、看板力士の大関・花筏が病気になってどうしても行けない。困った親方は一計を案じた。
▼花筏に姿形がそっくりな近所の提灯(ちょうちん)屋に「座っているだけでいいから」と小遣いや巡業先での接待をエサに同行を頼み込んだのだ。二つ返事でついていった提灯屋、無事に千秋楽を迎えたのだが…。
▼今風に言えば「偽装大関」の一席だが、インド洋での給油量ごまかしから比内地鶏に至るまで次から次へと明るみに出てくる現代の偽装はまったく笑えない。福田首相ならずとも「もういい加減にしてほしい」とうんざりしてしまう。
▼そういえば、沖縄戦の「集団自決」に関する教科書検定が気に入らないと先月、沖縄県宜野湾市で開かれた集会の参加者数も偽装されたままだ。小紙や日経新聞(西部版)などが、警察調べの4万人強説を報じ、航空写真をもとに2万人弱説を唱える専門家もいるのに、主催者側は11万人説を訂正しようともしない。
▼地元紙によると、沖縄県知事は「15万人、いや20万人いたかも」と開き直っているという。防衛省は米補給艦への給油量80万ガロンを20万ガロンと過少に公表してしっぺ返しを食らっているが、事実を正直に語れないのは防衛省も沖縄県も似たようなものだ。
▼落語では、震えながら土俵に上がった偽装大関が、本物と思いこんで足がすくんだ村の力自慢を張り手で倒して下げとなる。今の世もばれさえしなければ、偽装した方が勝つのだろうか。いやいや、赤福のようにいつか嘘(うそ)はばれる。天網恢々(かいかい)、疎にして漏らさず。正直こそ美徳という日本人の道徳観を失ってはならない。