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【外信コラム】イタリア便り 男同士のキス
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キスは必ずしも愛し合う男女が唇を合わせることだけを意味しない。例えば、イタリアではやや流行遅れになったが、男性が女性の手をそっと取ってその甲に軽くキスをするのは、しゃれたあいさつである。また、日本でならセクハラと勘違いされるかもしれないが、少し親しい女性なら、相手のほおに自分のほおを寄せて軽くキスをするのもよくあるあいさつだ。
このあいさつ方法は男同士でも行われ、われわれも一昔前、旧ソビエトの首脳と衛星諸国首脳が抱きあってほおにキスを交わすのを、テレビニュースでよく見たものだ。
さて、7月下旬のある夜、同性愛者の大きな集会の後、ローマ時代の楕円(だえん)形競技場「コロッセオ」の近くでディープ・キスをしていた男性2人が公然わいせつ容疑で逮捕された。同性愛を法的に認める国が多くなっている時代に、検挙は行き過ぎかもしれないと、これをめぐり賛否両論が巻き起こった。このため、8月中旬、イタリアの世論調査機関が「同性愛者の愛情表現」について調査する事態ともなった。その結果は次の通りである。
49%が「通常の男女間の行為と区別しない」と答え、32%が「公然とは行わないことを条件にオーケー」とし、10・3%が「同性愛は道徳上認められない」と回答した。イタリアでは、入れ墨をした屈強な男性同士の公然たるキスは、まだまだ認められそうにもない。(坂本鉄男)
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