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【日本の駅をゆく】明治維新先駆けの地、JR五条駅

2009.11.7 13:00
このニュースのトピックス鉄道マニア
天誅組、五新鉄道…。江戸時代以降の歴史が色濃く残る奈良県五條市の玄関口、JR五条駅(栗井裕美子撮影)天誅組、五新鉄道…。江戸時代以降の歴史が色濃く残る奈良県五條市の玄関口、JR五条駅(栗井裕美子撮影)

 紀伊半島のほぼ真ん中、奈良県中西部に位置する五條市。隣接する和歌山県橋本市が大阪など大都市のベッドタウンとして急速に発展したのとは対照的に、人口は昭和20年代からほぼ横ばいの約3万7千人。金剛山のふもとに広がる田園に囲まれた街角には、吉野川の水運などで江戸時代から戦前にかけて繁栄した歴史が、いまも面影強く残されている。

 そんな五條市の玄関口、JR五条駅前に今月、市内で初めての観光案内所が開設された。岡本麻利加さん(46)と上野真優さん(27)が常駐して案内業務にあたっている。

 駅から10分歩くと、江戸時代初期、城主だった松倉重政が城下町として設けた新町通りがある。日本最古級の民家をはじめ古い家並みが続き、いくつもの世紀を一気にタイムスリップしたよう。400年もの昔、もとは吉野川の川原だったという地に集落を出現させた重政の先見の明は、今もその通りが存続していることからも見てとれるだろう。

 そして、その周辺には、明治維新の先駆けとなった天誅組が焼き打ちした代官所跡や、戦前に建設計画が持ち上がりながら未完に終わった鉄道「五新鉄道」の橋げたも残される。ちなみに、「五新鉄道」と、計画にほんろうされる人々の心情をみずみずしく描いたのが、奈良県出身の河瀬直美監督のデビュー作「萌の朱雀」。同作品はカンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞、五條の美しい風景は世界をも魅了した。まさに街そのものが歴史、自然の博物館である。

 観光案内所の開設にあたって受けた研修で、市内各地を巡った2人。新町通りの近くに住むという岡本さんは「今まで当たり前に思っていましたが、じっくり歩いて回ると味わいがあります。都会の人にほっこりしてもらいたい」と話した。案内所は(電)0747・25・0336。 (奈良支局 栗井裕美子)

 ■奈良県五條市 平成17年に五條市、西吉野村、大塔村が合併。美しい自然に囲まれた地域だが、歴史の重要な局面で表舞台に登場する特異な地としても知られる。南北朝時代には、吉野とともに一時、賀名生(現五條市西吉野町)が南朝の拠点となったほか、幕末の文久3年(1863年)には天誅組が五條代官所を襲撃、この反乱は結局うまく行かなかったが、倒幕に向けた最初の行動として歴史的に価値のあるものだったとされる。実際、4年後に大政奉還が行われ、1868年から明治時代が始まった。柿の名産地としても有名。

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天誅組、五新鉄道…。江戸時代以降の歴史が色濃く残る奈良県五條市の玄関口、JR五条駅(栗井裕美子撮影)
JR五条駅前にオープンした観光案内所(右手前)=栗井裕美子撮影
JR五条駅前の観光案内所に常駐する岡本麻利加さん(左)と上野真優さん(栗井裕美子撮影)
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