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【日本の議論】危機に直面する「出産」「子育て」 民主党政権で何が変わる? 本当に必要なのは… (1/5ページ)
「子供2人だと毎月5万円以上か」「うちは1人だから2万6千円だね」−。民主党の圧勝に終わった総選挙から2週間。子供を持つ同僚から、しばしばこんな会話が聞こえてくるようになってきた。どうやら今回の選挙で民主党が看板政策の1つとしてきた「子ども手当」の皮算用らしい。子育て世代にとっては、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げてきた子育て政策は確かに魅力的に見えるようだ。だが、民主党の政策は、喫緊の課題である少子化問題や子育て問題を本当に解消してくれるのだろうか。日本の実態を調べていくと、実際には一筋縄ではいかないさまざまな事情がかいま見える。(豊吉広英)
1人の女性から1・37人しか子供が産まれない… 日本人がいなくなる恐怖
「社会保障の議論といえば、年金、医療、介護…ときて、最後に“付け足し”のように取り上げられてきたのが少子化や子育てだった」
国立社会保障・人口問題研究所前所長で早稲田大学人間科学学術院の阿藤誠特任教授(人口学)は、これまでの社会保障の議論の中で、少子化や子育て問題が“軽視”されがちだったことを憂いてきた1人だ。
「それが、今回は選挙の争点の目玉。内容の善し悪しはともかく、クローズアップされたことは大変喜ばしい」
実際、現代日本の少子化や子育て環境の整備問題は、極めて厳しい状況にあると言わざるを得ない。
1人の女性が生涯に産む子供の数の推計値である合計特殊出生率は平成17年に1・26にまで低下。20年は1・37まで上昇したが、依然として人口減をもたらす危機的状況にあることは間違いない。
経済協力開発機構(OECD)は加盟国の2006年国内総生産(GDP)に占める教育費の公財政支出割合について、比較が可能な28カ国中、日本は下から2番目の3・3%だったとする調査結果を発表。日本の政府は子供の教育に金をかけてこなかったことが明らかになった。
そうした状況の中、今回の総選挙で民主党がマニフェストで大きく訴えたのが「子育て・教育」の分野だった。これまで大上段に論じる機会は少なかったものの、実はみんなが抱えている極めて身近なテーマ性に、国民の目が集まったのは、ある意味当然の結果なのかもしれない。
子供1人で年間30万円オーバー 専業主婦は増税も…
民主党の少子化・子育てに関連する政策をあらためて確認してみよう。
まずは最も注目を浴びている「子ども手当」。
現行の児童手当は、月額で3歳未満が1万円、3歳以上は第1子、第2子が5千円、第3子以降は1万円で、小学校を卒業するまで支給される。支給を受けるに当たっては、所得制限もついている。
一方、民主党の打ち出す「子ども手当」は、所得に関係なく、中学校卒業まで子供1人当たり月額2万6千円、年間31万2千円を支給するというものだ。
現行38万円(10月以降は42万円)の出産一時金については、55万円に増額。さらに、公立高校生の授業料を実質無料化し、私立高校生には年12〜24万円を助成する−などとしている。
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