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【すくむ社会第1部】ITベンチャー「はてな」が京都に戻ったわけ〜『考える』の空洞化(6) (1/4ページ)
このニュースのトピックス:ネット社会
東京では情報があふれかえり、じっくりモノが考えられないと、古巣の京都に戻ってきたITベンチャー企業がある。技術革新が日々進むネット業界で成功するには、東京の流行を追うのが近道のはず。そんな常識と距離を置く経営者にどんな思いがあったのか。
ネット検索は思考の低下招く?
検索・ブログ事業を手がける「はてな」の近藤淳也社長(33)。社員は60人ほどだが、京都に本社を置く任天堂と手を組んだ新しいサービスも手がける。
誰かが知りたいことを不特定多数が答えてくれる「人力検索はてな」というネット事業を打ち出し、学生として過ごした京都で創業したのは、まだ25歳の平成13年7月。その3年後に東京に進出した。
成功の近道には、海外でヒットしたサービスを真っ先に日本に持ち込むという手がある。その情報をつかむには東京が有利だが、流行を追うことばかりに気をとられ、独創性が失われていく感覚を次第に強めていった。アイデアを絞る思考のなかに割って入る電話、会議、来客…。人の数、情報量があまりに多く、開発するサービスがどうしても「小振り」になってしまうのだ。
喧噪(けんそう)から離れ、思考しやすい環境で集中してアイデアを生み出すため、技術者数人が高原のペンションに泊まり込みプログラムを仕上げる「開発合宿」を取り入れたが、それでは満足できなかった。
「新しいモノを発想するのは心のなかで飛躍して、危険な領域に行く感覚。冒険のようなプロセスだから恐れがつきまとう。東京はメリットはあったが、駅を歩いていても人があまりに多くて障害物のようにしか見えず、不機嫌さがあったし、心理的にポジティブになれなかった」
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