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【さらば革命的世代】第2部(10)あのころ私は不愉快だった (1/4ページ)

2008.11.8 18:30
このニュースのトピックスさらば革命的世代
機動隊との攻防戦を経て“落城”した東大・安田講堂。ガラス片や木片が散乱する場に光が差し込んでいた=昭和44年1月機動隊との攻防戦を経て“落城”した東大・安田講堂。ガラス片や木片が散乱する場に光が差し込んでいた=昭和44年1月

古本屋に市大の本

 大阪市立大学の文学部教授会は昭和44年春、学部長を補佐する評議員に、教授になったばかりの歴史学者、直木孝次郎さん(89)=現大阪市大名誉教授=を選んだ。当時50歳。「学生との対応は長期戦。若手が担当した方がよい」というのが理由だった。

 教授会に学生たちがなだれ込んだのは、その直後だった。「教授会の予算を公開せよ」「傍聴を許可しろ」。騒ぎは深夜になっても収まらず直木さんは、時計の針が評議員の任期が始まる4月1日午前0時にあわせ、前任教授に代わって交渉の席に着いた。

 「殺気立つ学生たちをなだめるだけで精いっぱいだった。予算公開ぐらいは譲歩してもよいと思っていたが、とても話し合いをする雰囲気ではなかった」

 その約10年前、助教授だった直木さんは第1次安保闘争で学生たちと手を取り合って反戦運動をした経験があった。若者たちへの理解は深いほうだと思っていただけにショックは大きかったという。

 6月には、学部長が体調を崩し、学部長代理として交渉の最前線に立った。当時は「大学の自治」を守るため、警察の力に頼りたくないと考える教授も多かったが、理学部の薬品倉庫から劇薬が持ち出されたことが発覚。「学外に示しがつかない」と、機動隊の導入に踏み切った。

 封鎖が解かれ、研究室に戻ると、室内は水浸しになっていた。その後、大阪市内の古本屋に「大阪市大図書館」と押印された書物が何冊も出回っていたのを知った。「学生運動は堕落して泥棒行為まであったのです」。進歩的な立場を取ってきた直木さんですら、事態の深刻さに嘆くしかなかった。

★★★【さらば革命的世代】これまでの連載はこちら★★★

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機動隊との攻防戦を経て“落城”した東大・安田講堂。ガラス片や木片が散乱する場に光が差し込んでいた=昭和44年1月
落城した安田講堂
安田講堂の内部はめちゃめちゃに破壊されていた
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