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【ふるさと便り】栃木市の天然記念物「さしも草」守れ
このニュースのトピックス:農林水産
栃木市吹上地区に古来より自生していた市天然記念物の「さしも草」を増やそうと、地元有志でつくる「吹上地区まちづくり協議会」(酒巻幸夫会長)と県立栃木農業高校の生徒らが14日、さしも草約400株を移植した。地元では将来、さしも草を利用した地元産品をつくりたいと意気込んでいる。
「かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしもしらじなもゆる思ひを」(小倉百人一首)
平安時代の歌人、藤原実方朝臣(?〜998年)は、京の都に残した女性との別れを嘆き、自分の思いを伊吹山のさしも草でつくった灸に例え、恋い焦がれながらも伝わらない自分の思いを詠んだといわれる。この伊吹山は、栃木市吹上地区にある小高い丘ながら、平安時代以降、多くの歌人が好んで歌枕に詠んだ場所でもある。
このような歴史から栃木市教委は昭和36年、さしも草を市天然記念物の第1号に指定。だが、除草剤や雑草などの影響で、現在では市内を流れる赤津川の土手周辺などで見られるだけになっていた。
しかし、さしも草の消失を心配した近所の渡辺そのさん(80)が平成5年ごろから、自宅裏の善応寺下に囲いを設けてさしも草を移植、保護してきた。昨年からは吹上地区まちづくり協議会が渡辺さんに協力し、県立栃木農業高校に共同栽培を依頼しており、14日、株分けして育てた約400株を手分けして移植した。
同協議会では、畑を借りてさしも草を増やしていく計画だ。渡辺さんは「地元に残る歴史を多くの人に知ってもらうためにも、これからも大切にしていきたい」と話している。
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