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【伝統食最前線】ワサビ 辛み成分が有害物質を無毒化
ワサビの辛み成分の一つが、有害物質に対する体内の解毒作用を高めることを、森光康次郎・お茶の水女子大准教授らが発見した。辛み成分が肝臓の細胞に刺激を与えることで、有害物質への防御能力を向上させる。人での実証には至っていないが、将来的ながん予防につながる研究成果といえそうだ。
ワサビをすり下ろすと、ワサビの細胞内にあった「グルコシノレート」が酵素と反応し、辛みや香りをもたらす「イソチオシアネート」が生成される。イソチオシアネートのうちワサビに特有の「6−MSHI」には、肝細胞が解毒酵素を生成するのを促す効果(誘導活性)がある。解毒酵素は有害物質を無毒化し、発がんを抑制する。
米国では、ブロッコリーに含まれるイソチオシアネートの一種「スルフォラファン」に高い誘導活性があると報告されていた。森光准教授らは野菜・果物を幅広く調査。マウスの肝細胞の解毒酵素(GST)に対する6−MSHIの誘導活性が、スルフォラファンの約1.9倍、何も与えない場合(対照群)の2.28倍高いことが分かった。
ただ、6−MSHIは細胞を刺激し活性酸素を発生させるため、大量にとると逆にがんを誘発する危険性もある。森光准教授は「少量を楽しむ通常のワサビの食べ方ならまったく問題ない」と話す。6−MSHIの研究には、ワサビ食品会社の金印(名古屋市)も参加し、独自の抽出技術で商品化を進めている。
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