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【街物語】(25)さすらい人のふるさと 和歌山県・高野山 (1/3ページ)

2008.6.1 08:36
このニュースのトピックス街物語
外国人観光客の話に熱心に耳を傾けるインターナショナルカフェ「梵恩舎」店主、柘植健さんとヴェロニクさん夫婦=和歌山県高野町外国人観光客の話に熱心に耳を傾けるインターナショナルカフェ「梵恩舎」店主、柘植健さんとヴェロニクさん夫婦=和歌山県高野町

 「ボン・ジュール、ブ・ザ・ベェ・ビャン・ドゥル・ミー? 」

 陶磁器が並び額縁が飾られた和風の建物から、男性の声が聞こえてきた。仏語で「こんにちは、よく眠れましたか? 」。声をかけていたのは、インターナショナルカフェ「梵恩舎」(ぼんおんしゃ)店主、柘植(つげ)健(たけし)(32)だ。

 真言宗の開祖、空海が開いた修験地の和歌山県・高野山。目抜き通りにあるこの店には、リュック姿の外国人観光客が吸い寄せられるように入っていく。米国から来た家族によると、「高野山に来たらここに寄り、いろいろ聞きなさい、とガイドブックに書いてある」という。

 古美術品店と見間違いそうなたたずまい。店名の「梵恩舎」は、仏の慈愛が受けられる場所という意味だ。

 「この町は居心地がいいですよ」。ヒッピーのような風貌の柘植がココアをかき混ぜながら笑う。彼は中国、仏、伊、英、日本の5カ国語が話せる。外国人旅行者の間で店の存在が口コミで広がり、梵恩舎は外国人にとって「道の駅」になっている。

■■

 柘植は横浜で育った。子供のころから思ったことはすぐ行動に移す性格だった。

 平成7年、18歳ときにチラシ配りをしていると、その隣では同年代の人たちが阪神淡路大震災の被災者のために募金を集めようと声をからしていた。「おれは、なんて無能なんだ」。翌日、バイトをやめ神戸に向かった。3カ月のボランティアで僧侶と仲よくなり、「お前は中国に行くといい」と言われた。

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外国人観光客の話に熱心に耳を傾けるインターナショナルカフェ「梵恩舎」店主、柘植健さんとヴェロニクさん夫婦=和歌山県高野町
高野山の寺院「無量光院」に務めるスイス生まれの僧侶クルト厳僧(げんぞう)さん。インタビュー後、瞑そうに入った
関空から高野山への大阪の玄関口の難波に向かう南海電鉄の「ラピートβ」。飛行機をイメージした車体が人気だ
関空から高野山への大阪の玄関口の難波に向かう南海電鉄の「ラピートβ」の車内。広々としてモダンな作りでくつろげる
南海鉄道・極楽橋駅からは急勾配のため、名物のケーブルカーに乗り換えて高野山駅に向かう
高野山の玄関口となる高野山駅。バックパッカーの外国人観光客が目を引く
高野山で観光客が最も多く訪れる空海の御廟がある「奥の院」の入り口となる「一の橋」。樹齢数百年に杉がうっそうと茂る
奥の院の参道わきにある「汗かき地蔵」。拝んだ人の願いをかなえるため夜の間に動きまわり汗をかくという伝説がある
奥の院の御廟に至る参道脇には大名や企業の創始者の墓碑が約20万基立ち並ぶ。ひときわ大きく目をひいた南海電鉄創業者松本氏の墓碑
おなじみの福助像で「かわいい」と女性に人気だった足袋製造会社「福助株式会社」の墓碑
シロアリを供養していた墓碑もあり、石がひときわ白っぽかった
高野山の西の玄関口、高さ約25メートルの「大門」。両脇の金剛力士は康意・運長作
奥の院とともに高野山で最も神聖な真言宗根本道場として建立された根本大塔を臨む金剛峯寺の境内
木々がうっそうと茂り陰を作り厳かな雰囲気に包まれた金剛峯寺の境内
調和のとれた石の配置がみごとな金剛峯寺内の石庭。
女人禁制時代の名残を残す高野山の北西に位置する「女人堂」。かつて女性が来ることができたのはここまでだった
小堀遠州によって江戸初期に完成し高野山で唯一重文指定されている「天徳院」の庭園。池と木々の緑が鮮やかだ
高野山の寺院で唯一、宿坊に天然温泉がわく「福知院」。まるで高級温泉旅館のようだ
江戸幕府御用達絵師としてしられる狩野探幽のふすま絵のある「福知院」宿坊の一屋。もちろん泊まれる
収容数が多く団体や家族連れが多い「遍照尊院」。宿坊にもかかわらず喫茶店や売店もある
幽玄な雰囲気で外国人観光客に人気の宿坊「遍照光院」の中庭の池。高野山のなかでもひときわ緑にあふれた寺だ
阿弥陀三尊と八祖の像が鎮座する荘厳な雰囲気の「遍照光院」の金堂。宿泊客の朝のお勤めはここで行う
自家製ごま豆腐(手前左上)などおいしい精進料理が並ぶ「遍照尊院」の夕食
フランスからきた団体客に仏語で真言宗の教えと宿坊の規則を話す「無量光院」のドイツ人僧侶、クルト厳蔵さん
皮がお麩でできた麩善の「笹巻きあんぷ」。さっぱり皮もべとすかずしておいしい
井戸水で作った濱田屋の胡麻豆腐。きなことしょうゆで食べる。さっぱりさが持ち味
香ばしい「上きしや」の焼き餅と看板娘の東峯真帆さん
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