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【街物語】(25)さすらい人のふるさと 和歌山県・高野山 (1/3ページ)
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「ボン・ジュール、ブ・ザ・ベェ・ビャン・ドゥル・ミー? 」
陶磁器が並び額縁が飾られた和風の建物から、男性の声が聞こえてきた。仏語で「こんにちは、よく眠れましたか? 」。声をかけていたのは、インターナショナルカフェ「梵恩舎」(ぼんおんしゃ)店主、柘植(つげ)健(たけし)(32)だ。
真言宗の開祖、空海が開いた修験地の和歌山県・高野山。目抜き通りにあるこの店には、リュック姿の外国人観光客が吸い寄せられるように入っていく。米国から来た家族によると、「高野山に来たらここに寄り、いろいろ聞きなさい、とガイドブックに書いてある」という。
古美術品店と見間違いそうなたたずまい。店名の「梵恩舎」は、仏の慈愛が受けられる場所という意味だ。
「この町は居心地がいいですよ」。ヒッピーのような風貌の柘植がココアをかき混ぜながら笑う。彼は中国、仏、伊、英、日本の5カ国語が話せる。外国人旅行者の間で店の存在が口コミで広がり、梵恩舎は外国人にとって「道の駅」になっている。
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柘植は横浜で育った。子供のころから思ったことはすぐ行動に移す性格だった。
平成7年、18歳ときにチラシ配りをしていると、その隣では同年代の人たちが阪神淡路大震災の被災者のために募金を集めようと声をからしていた。「おれは、なんて無能なんだ」。翌日、バイトをやめ神戸に向かった。3カ月のボランティアで僧侶と仲よくなり、「お前は中国に行くといい」と言われた。



























