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【循環生活のすすめ】(14)森に抱かれて暮らす (1/2ページ)
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落葉樹の森のあちらこちらで山桜が彩りを添えはじめている。長野県信濃町は、今まさに春。国道18号から県道に入り、白樺(しらかば)の木立を抜け、舗装されていない道をしばらく行くと、大きく広がるなだらかな上り斜面が目の前に現れた。丘の上には大きな木の家が1軒。薪ストーブだろうか、煙突から煙が上がっている。玄関先のデッキでは、ラブラドルレトリバーが来訪者を待ち受けていた。
桃井(もものい)奉彦(ともひろ)さん(66)と妻の美鈴(みれい)さん(58)が、娘や孫たちと、この地に根を下ろして約2年半。500坪の借地の畑も含め5000坪ほどの敷地内には、林はもちろん小川や谷、雪解け水が湧(わ)き出る小さな池もある。
以前は同県飯山市内に住んでいたが、新幹線工事に伴って立ち退きを余儀なくされたのが転居のきっかけだった。夫妻は東京育ちで自然へのあこがれは強かったが、ここは冬に1メートル以上もの雪が積もる寒さ厳しい場所である。それでも自然とともに暮らす決心をしたのは、大量消費型の「便利で快適な現代の暮らし」が、人間に本来備わっている自然のメカニズムを壊しているのではないかと危機感を抱いたからだという。

