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【きのうきょう】村主さんの花
兵庫県尼崎市 渡辺君子 64歳
夫が植えたプリムラやわすれな草など、小さな花たちが春風に揺れて咲いている。
水をやっていると、「村主さんのドレスみたい」と娘がパンジーを指さした。「ほんとうだ」。薄紫、濃い紫色の花はフィギュアスケート選手の村主章枝さんのドレスを連想させる。
彼女はよく紫系のドレスを着て舞い滑る。トリノ五輪のフリーで着ていたドレスも、このパンジーそっくりの色合いだった。花びらが風に揺れると、ドレスのすそが翻っているかのようだ。情熱を込めて叙情豊かに舞い滑る村主選手にはぴったりの紫色。それ以来、私たちはパンジーを「村主さんの花」と呼んでいる。
若いときはバラやユリなど、華やかな花にひかれたものだが、今は小さくてかれんな花が懸命に咲いている姿に心ひかれる。今日も「おはよう」と水をかけていると、村主さんの花がほほえむように咲いていた。