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【遊びの流儀】フライフィッシング 釣れた喜びはひとしお
釣りってのは、大物をどっさり釣るのがいいのかと思ってたけど、そんな単純な話じゃないらしい。
「釣れませんねえ。去年の10月ぐらいから狙い始めたから…半年ぐらいになりますけど、まだ1匹も」
なんて言いながら、会社員の奥山進さん(39)はニコニコしている。標的は「シーバス」と呼ばれるスズキ。天気にも左右されるが、自宅近くの江戸川に少なくとも週1、2回は出かける。日がな一日、糸を垂れることもある。それでも…釣れない。
下手だからってわけじゃない。太公望(たいこうぼう)にもいろんな人種がいるようで、ざっと、餌釣り、ルアー(疑似餌(ぎじえ))、フライ(毛針)に分かれるそうだ。難度もだいたいその順番。そして奥山さん、この10年はフライ一筋。
「隣でルアーを投げてる人が入れ食いの状態でも、こっちはゼロだったりします」
しかしどうしてわざわざ難しく…。聞けば、まずは自分でフライを作るところから始まる。「釣ってる時間より作ってる時間のほうが長い」くらいの手間と暇。さおやリールも専用品。仕掛けが軽いから、練習しないと投げるのもままならない。「最初は近所の公園で練習してから出かけました」。聞くほどに、不思議になる。
これまでで一番の釣果を聞くと「オイカワですね」と即答。大きさは「これぐらい」と広げたのは、親指と人さし指。だいたい10センチ…ですか?
「そう、蚊の大きさぐらいの針を巻いて、『これぞ渾身(こんしん)の出来』ってやつで、川に出かけて一発で釣れたんですよ」。ぼやき声が、ころっと変わる。ほんとに満足げ。量やサイズは関係ないのだ。
狙う魚、季節や場所に合わせて仕掛けを作る。観察と推理。自然との対話。効率は悪いけど、フライはそういう釣りの面白さを味わい尽くせるスタイルなのかも。「だから、スズキだって1匹でいいんですよ。1匹だけでも。しかし、釣れないかなぁ、うーん…」(篠原知存)
奥山さんには会社員の石井慎一さん(33)を紹介してもらった。次の遊びは「クワガタ飼育」。

