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【通勤苦を解消せよ】(上)乗客の分散 急行“廃止”や早起き特典 (1/3ページ)
技術の進歩で身の回りのサービスは格段に便利になったのに、なぜか満員電車に揺られる日々は変わらない。新社会人が増える4月は年間で最も電車が込む。増発余地が限られる中、鉄道各社はダイヤの工夫などで乗客を分散させようと懸命だ。(海老沢類)
「ラッシュ時は一度体勢を崩すと立て直せない。猛烈な圧力で、おなかが痛くなる」(50代男性)。神奈川県大和市と東京・渋谷を結ぶ東急田園都市線。ノートパソコンの強度PRにも使われた超満員電車は通勤客の悩みの種だ。
ラッシュを緩和するため東急電鉄は昨年4月、午前8時台に渋谷駅に到着する上り急行を準急に格下げし、二子玉川−渋谷間は全駅に止まるようにした。スピードを犠牲にする逆説的な措置により「220%弱だった急行の混雑率が、準急では200%前後に下がった。列車ごとの混雑の差が縮まり、遅れも減ってきた」と運転計画課の宮下創課長補佐は成果を強調する。
異例の決断に踏み切らせたのは、慢性的な列車の遅れだった。従来ダイヤでは二子玉川など都心に近い急行停車駅で、各駅停車から急行に乗り換える客が殺到。ドアがなかなか閉まらないために停車時間が延び、遅延が後続列車に雪だるま式に積み上がる悪循環だった。
「急行廃止」で遅延解消に一定の効果が見られたことから、東急は3月28日から準急の運転時間を前倒しする一方で、都心への別ルートになる大井町線では所要時間が6分短い急行を運転。「沿線の通勤客は平成37年ごろまで増える見込み。品川方面への通勤客が大井町線に移ってくれれば」と期待する。


