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【柏木理佳のキャリアアップ講座】年収はもう上がらない!?
4月を迎え、街には初々しい新入社員の姿が見られます。私はバブル後半入社組ですが、いとも簡単に正社員の身分を捨て、契約社員の道を選んだことを思い出します。
当時、平成2年の賃上げは民間主要企業の平均でなんと6%近くもありました。周りには羽振りのいい人ばかりでした。それが一生続くと勘違いしていた私。しかし賃上げはその後4年間約1%ずつ下がり続け、平成7年からは7年間も2%台を低迷しました。それでも「もう底だ。あとは上がるのみ」と信じていた私に追い打ちをかけるように、連続で0・3%ずつ下がりました。
不幸中の幸いか、やっとここ5年は上昇に転じ、19年は1・87%になりました。でも、喜ぶのはまだ早い。実際にはほとんど上がっていないのと同じ数字なのです。仮に初任給20万円で入社した人が毎年2%ずつ昇給を続けたとしても、35歳で27万円にもなりません。物価上昇率に給料が追いついていかないのです。
賃上げしたと公表している会社だって、OB会費などの経費を勝手に差し引いたり、扶養家族がいる人だけ優遇したり、査定のいい人だけ基本給アップするなど、全員の給料を上げているわけではありません。
つまり、これからは定年を迎えるまで、実質的にほぼ給料は上がらないと考えるべきなのです。年収300万円の人は、ほとんどその暮らしも変わらないと覚悟する必要があります。
今年上半期の企業の業績はますます悪化しそうな見通しです。せめて原油高がおさまればこの流れは変わるかもしれませんが、それにはあとしばらくはかかりそうです。契約社員や派遣社員は正社員という身分の保証がないかわりに高収入だったバブル時期、それが、どんな雇用形態の人でも給料が上がらない時代へ突入。せめて興味のある仕事や適職を選び、次のキャリアアップを考えましょう。
(生活経済ジャーナリスト・嘉悦大学短期大学部准教授)