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【凛と生きる】「溶けゆく日本人」番外編(4) (2/2ページ)

2008.3.13 08:11
このニュースのトピックス溶けゆく日本人
「晴れている日が危ない。みんなが活動していると、逆に気持ちがふさぐのかな」と話す茂幸雄さん「晴れている日が危ない。みんなが活動していると、逆に気持ちがふさぐのかな」と話す茂幸雄さん

 数カ月後、自殺志願の中高年カップルを保護し、地元の福祉課に引き継いだ。その5日後、チラシの裏に書かれた長文の遺書が届く。「頑張り続けた二人の努力は認めてください…」。行く先々の役所で交通費を渡されてたらい回しにされた末、2人は新潟県内で首つり自殺していた。

 「助けを求める人がいたら、誰かが手をさしのべてくれる国だと思っていたが、現実は違った。2人に二重の苦しみを与えてしまったのではないか」

 問題の根を解決しなければ真の救出にはならない…。苦い経験が、水際での自殺防止に第二の人生をささげるきっかけになった。

                   ◇

 NPO設立からもうすぐ4年。「常駐のスタッフは手弁当で駆けつけてくれるが、収支は赤字」と苦笑する。今、茶店は「命の灯台」と呼ばれ、救われた人から「声をかけてくれてありがとう」と感謝の声が届く。

 国内の自殺者は9年連続で3万人を超える。国も自殺総合対策大綱で行政と民間の連携強化をうたうが、地元自治体の腰は重い。「防止対策自体がイメージダウン」と反発する観光業者もおり、肝心の足元は一枚岩ではない。それでも、その信念は明確だ。

 「誰もが面倒なことや他人事にはかかわりたくない。でも、それが命にかかわることだったら、見て見ぬふりはできんはず。そんな当たり前のことが、何でできんのか?」

 (海老沢類)

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「晴れている日が危ない。みんなが活動していると、逆に気持ちがふさぐのかな」と話す茂幸雄さん
東尋坊でいったん保護したカップルが書いた遺書。茂さんへの感謝の言葉とともに、役所の対応への失望がつづられていた

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