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【凛と生きる】「溶けゆく日本人」番外編(1)看取りの医師 小澤竹俊さん (2/2ページ)
このニュースのトピックス:溶けゆく日本人
平日は外来診察のほかに診療所から5キロ圏内、昼間車で30分以内で移動できる範囲に限って往診を行う。現在約80人の患者を抱え、往診は1日10軒以上になることも。昼食は移動の車の中ですませるという。さらに週末は全国の小中高生や医療関係者向けに「いのちの授業」を展開。講演回数は年間150回を超える。
どんなに努力しても必ず患者との別れがくる。そんなとき、無力感に襲われないのか?
小澤さんは少し沈黙した後、こう語った。
「別れはつらいし、ドロドロやゴタゴタもある。でも、人は絶望の中にあっても、支えが見つかれば、自分をかけがえのない存在だと認めることができる。そして生きる希望を持つことだってできる。患者を支えようとしている私こそが、家族やスタッフ、これまで出会った患者さんとその家族に支えられている。亡くなる患者さんの前では無力な私でもいいんだと思えるようになりました」
人間は健康で順調な時ばかりではない。体は健康でも、学校や職場で思うように成果が出なかったり、人間関係のトラブルにあうと苦悩する。
「苦しみとは希望と現実とのギャップ。誰でも必ず苦しみはある。苦しくても人や自分を傷つけないためにはどうしたらいいか。家で子供の話をじっくり聴くことからはじめてもいい。私の活動が誰かの生きるヒントになればうれしいですね」
苦しみを受け止め、背負っていく方法に気づいたとき、もう少し生きやすい社会になる。小澤さんはそう信じている。(小川真由美)


