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【街物語】(10)“神々の作った”理想郷歌う (1/3ページ)
彼女たちの歌声を聴くと、真っ青な空と海が浮かび上がってくる。ゆったりとした時間を感じ、心も癒される。「歌詞」「メロディー」「歌声」。それぞれに、2人が愛する故郷への想いを込めているからだ。
石垣島出身の女性デュオ「やなわらばー」。歌とギターを担当する梨生(25)は曲を書くとき、しばしば父の故郷、竹富島の風景を思い浮かべるという。父方の大叔母が切り盛りする民宿の周りにはいまも、赤瓦屋根と石垣に囲まれた伝統的家屋が残る。毎年、正月にはサンゴ片が道にまかれ一面が真っ白に染まる。「サンゴの道」は、その記憶から書いた曲だった。
「島の空が真っ青だからこそサンゴの白色が際だつ。何でも許してくれる、何でも包み込んでくれる雰囲気がある。自己嫌悪になったときに、やる気を起こさせてくれる。再スタートを何度でもさせてくれる」
歌と三線を担当する優(25)のハイトーンボイスには、大海原に浮かんでいるような心地よさがある。彼女が想う故郷の原風景は、石垣島の沖合にある「幻の島」での思い出だ。
実家は石垣島南西の浜崎マリーナ前でボートの修理販売店を経営している。船に乗り西に約10キロほど進むと、周囲30メートルほどの砂浜がある。正式名は浜島。海が荒れると見えなくなるから、船乗りは「幻の島」と呼ぶ。彼女は子供のころ、家族でよくこの島に遊びに行き、スイカ割りを楽しんだ。
「寝転がると、とても気持ちよくてね。大きな空が目に入ってくる。わっーと、大きな声で叫びたくなる。時間が止まったようだったさー」
《あぁ、サクラ、散れども散れども 咲いてくよ》。2人が最近出した新曲「サクラ」の歌詞の一節だ。
石垣島にはソメイヨシノがほとんどない。彼女たちの記憶にあるのは、木は小ぶりだが、大きく鮮やかな桃色の花を咲かすカンヒザクラ。2人が学んだ石垣中学の庭に今も残る1本だった。





























