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生協も輸入元も「単純なトラブル」と軽視
どこまで広がりをみせるのか。中国製ギョーザ中毒事件で5日、新たな毒物が検出された。同じ生協のギョーザに含まれていたのは高濃度の有機リン系殺虫剤のジクロルボス。「においがきつくて食べられない」。昨年11月、商品を購入したコープの店員は途中で食事をやめて健康被害を免れた。なぜ発覚直後に調べなかったのか…。当時、問題商品を検査した輸入元のJT側は会見を開き、「感度が低かった」と謝罪した。
日本生活協同組合連合会によると、福島県の「コープあいづ」職員から、「購入したギョーザで異臭がする」という届け出を受けたのは、昨年11月10日。その約1カ月前の10月5日と31日にも、宮城県の共同購入者などから、同様に「異臭がする」「薬品のような味がする」という苦情が寄せられていたという。
苦情を受けて生協連は、輸入元のJT子会社「ジェイティフーズ」に検査を依頼。同社が外部検査機関に委託し、商品を回収できた福島と宮城の2検体について包装材を調べたところ、トルエン、キシレン、ベンゼンが検出された。
異臭の苦情が寄せられた商品の中には、梱包(こんぽう)用段ボールに油染みのようなものがついていたという情報もあったことから、ジェイティフーズは「流通過程での汚れ」と単純なトラブルと判断、ギョーザ自体の検査は見送った。同社は、製造元の中国河北省にある天洋食品の工場や包装材工場を訪問し、聞き取り調査もしていたが、トルエンなどの薬品は使用されていなかったとする申告を受け、それ以上は何もしていなかった。
この日会見したジェイティフーズの親会社、JTは、ギョーザ自体の農薬検査などを行っていなかったことについて、「企業として感度が低かった。今思えば甘かった」と唇をかみ締めた。
販売していた生協連の会見でも、報道陣から対応不足を指摘する声が上がり、生協連幹部は「今回は(東北以外の)他のエリアの商品ではこうした(異臭)申告がないということで判断した」と釈明に追われた。
「食の安全について不安を与えたことには、販売者として責任を感じております」
幹部らは、4時間にわたった会見の最後に深々と頭を下げた。
ジクロルボスが検出された商品と同じ日に製造された商品は東北に111ケース、首都圏に207ケース、東海に25ケース、中四国に4ケース、九州に388ケースの計735ケース(8820袋)が納入されたが、回収したのはわずか33袋。大半はすでにに消費されてしまったという。