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【大阪 食の誘惑】おでん一皿ずつコース仕立てで (1/2ページ)
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寒くなると「おでん」が恋しくなる。あったかいおでん鍋をのぞきこみ、今日は何にしようかあれこれ悩みながら注文するのも、おでんの楽しみのひとつ。しかし、こうしたいわゆる定番の食べ方にあえて挑戦し、おでんを創作料理に高めたことで知られるのが、大阪府堺市にある「たこ吉(よし)」の住吉昭一さんだ。
住吉さんは28歳のとき人生の転機を感じ、調理師専門学校で日本料理を学び、夫婦で切り盛りできるからという理由で昭和48年におでん屋を始めた。住吉さんは「最初は、どこにでもあるいわゆる関東煮(かんとだき)のお店。しかし、しばらく続けるうちに自分の作るおでんに自信がもてなくなった」と、新たな料理に取り組み始めたきっかけを話す。
それからは勉強のやり直し。大阪で名店といわれるおでん屋にも通い、おでんの具やだしの取り方を見習うものの、まだ納得できないところがあった。そうこうしているうちに気づいたのが、おでんの提供の仕方。「具やだしには工夫を凝らすものの、おでんの出し方はどこも同じ。皿にのせて出すだけ。自分もそれが当たり前だと思っていた」
住吉さんは学んだ日本料理に立ち戻り、見つめ直した。そして「おでんを煮物料理と考え作ってみよう」と発想を転換。しばらくして、おでんを一皿ずつ、具と相性のよい素材と一緒に盛りつけて提供し始めた。いまでは、おでんにとろろ昆布や刻みネギなどを添えて出す気の利いた店も多くなったが、「たこ吉」は、こうしたスタイルの先駆けとなった。
「煮物は素材の組み合わせや味付けなど、料理人の仕事がみえる料理。普通のおでんと違うが、自分の出すものをおいしいと言ってくれるお客さんがいればそれでいいと思えば、気が楽になった」と、当時を振り返って話す。

