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【もてなしの心】玉造温泉の3人女将の白石家 思い出してもらえる温泉めざし (1/2ページ)
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奈良時代の天平5(733)年に成立した「出雲国風土記」で、「神の湯」とたたえられた松江市玉湯町の玉造(たまつくり)温泉。歴史を刻む旅館街にたたずむ老舗「白石家」は、大、中、若の冠がついた3人の女将が支えている。「折りにつけ、思い出していただける。そんな宿でありたい」。そう話す若女将の内藤優子さん(37)のお手本は、2人の先輩女将。こんこんとわき出るお湯と、宿に咲いた3人の笑顔は、この地におわす神々からの贈り物なのかもしれない。
(松江支局 藤谷茂樹)
夕日の美しさは折り紙付きとされる宍道(しんじ)湖の沿岸部を、松江の市街地から西に進めば、そこはもう玉造温泉。冬季は鉛色の空に覆われる山陰地方だが、時折、雲間からこぼれ落ちる日の光が湖面にキラキラと映えて、その光景は、八百万(やおよろず)の神々が集う「神の国」の名にふさわしい。
玉造温泉は、江戸時代には松江藩主の別荘「お茶屋」が建ち、山陰屈指の湯治場として知られた。高度成長の波に乗った昭和中期は、縁結びの神で知られる出雲大社(出雲市)の恩恵を受け、新婚旅行の宿泊先になるなどして繁栄。現在は、昨年夏に世界遺産登録された石見銀山遺跡(大田市)が追い風となって、県内外からの観光客でにぎわっている。
白石家は、江戸時代の享保元(1716)年の創業。屋号は当初、「白石」で、読みは「はくいし」だったが、後に「しらいし」に変更。平成元年の増築を機に、屋号に「家(や)」を加えた。「(宿泊客に)温かい家庭に帰ってきたような心持ちで、くつろいでほしい。そんな思いを強調しました」と大女将の絹子さん(71)。名前は変わっても、創業時からの白石家の“遺伝子”は脈々と受け継がれている。


