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【主張】中国製ギョーザ 問われる「食」の危機管理
「食」の安全を守る体制を整え直す必要がある。これが中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件から得たひとつの教訓だろう。
事件が起きたとき、厚生労働省や地方自治体の間で相互連絡がうまくいっていなかった。輸入された加工食品の検査体制にも不備があった。輸入業者や販売業者も責任ある対応を十分取っていなかった。
しばしば安全性が問題視される中国の輸入食品に対する危機管理を徹底するには、こうした問題点を詳細に検証する必要がある。
最初の食中毒は昨年12月28日に千葉市の母子で発生した。しかし、公表まで1カ月もかかった。この1カ月間に兵庫県高砂市の家族3人と、千葉県市川市の家族5人が食中毒を起こした。保健所の年末年始休みでメールの開封が遅れたり、東京都のファクス送信ミスで正確な情報が伝わらなかったりと、行政の怠慢やミス、思い込みが被害を拡大させた。
ギョーザからは有機リン系殺虫剤が検出された。現在、中国でもその使用は禁止されているが、農家では「安くてよく効く農薬」と評判だという。
日本の食品衛生法では輸入野菜などには残留農薬の検査を義務付けているが、食材を加工した冷凍食品やレトルト食品には残留農薬の検査を求めていない。技術的に難しいうえ、検査費用がかさむからとされる。
ギョーザを輸入したジェイティフーズやその親会社のJTも「加工食品に対する化学物質の検査はしていない」と語り、「年に数回、品質管理の担当者が中国のギョーザ製造工場に行き、変な味や悪臭がないかを調べている」と説明していた。
だが、こんな対応のすきをつかれ、事件が起きた。検疫所や輸入業者による検査体制を見直す必要もある。
中国製加工食品の冷凍ギョーザに高濃度の殺虫剤が付着していたのは紛れもない事実だ。しかし、中国製食品がなくなったら、日本の食生活が成り立たないのも現実である。
問題のギョーザの包装袋に小さな穴が開いていることも、警察の捜査で明らかになった。これは何を意味するのか。徹底的な解明が必要だ。
こうした点を踏まえ、「食」の安全に対する危機管理に徹したい。