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【産経抄】2月1日
このニュースのトピックス:食の安全
中国では旧暦正月を春節と呼び、今年は2月7日に新年を迎える。すでに里帰りのための民族大移動が大雪のなか始まっているようだ。なにしろ広大な国土だから、年越しの風習もさまざまだが、北方の地域ではギョーザが欠かせない。
▼元日には、日本のおせち料理のように家族全員で味わうという。中国からの引き揚げ者によって日本に伝わり、独自の焼きギョーザとして広まったのは戦後のことだ。冷凍ギョーザは、今やスーパーの目玉商品のひとつになった。
▼本家本元で製造されたその冷凍ギョーザが、大変な厄災をまき散らしている。下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴える人が全国で続出しており、一時重体となった幼児もいる。中国からの輸入食品といえば、養殖ウナギやホウレンソウ、冷凍枝豆などから発がん性の薬剤や残留農薬が検出された“前科”がある。
▼猛毒の殺虫剤が相当量含まれていた今回のケースは、深刻度がまるで違う。考えたくないことだが、テロ事件の可能性さえあるというのに、最初の被害の通報から1カ月間何の措置も取られなかった。食の安全保障のお粗末さにあぜんとするしかない。今後はギョーザに限らず、中国産を使わないチャイナフリーの動きが強まりそうだ。
▼ただそうなれば、今まで通り手軽に安価で、しかもおいしい食材を、家庭やレストランで楽しむのは難しくなる。食料自給率が4割を下回り、中国はじめ外国に食料を依存する国の体質を変えないと、待ちかまえているのは、お金をかけなければ、食の安全が確保できない究極の格差社会だ。
▼リスクを負う覚悟もないくせに、快適な食生活は譲れない。そんな虫のいい願望があるとすれば、「中国の危ない食品」以上にやっかいだ。