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【科学を食する】キリンヤクルトネクストステージ「ブナハリ茸」 (1/2ページ)
ブナの倒木や立ち枯れに群生する食用キノコ、ブナハリ茸(タケ)。そのエキスを使用した、血圧降下作用を効用とする製品だ。特定保健用食品では唯一のキノコ由来という変わり種は、ビール会社にいながらキノコにのめり込んだ研究者の奮闘で開発された。
開発したのは、元キリンビール研究員で、現キリンヤクルトネクストステージ商品開発研究所長の佐藤拓さん。きっかけは、ビール製造の副産物「仕込み粕(かす)」の有効利用法の開発だった。キノコの菌床(人工)栽培の栄養源(培地)とすることを考案し、平成8年に試験販売を始めたところ社長表彰を受けるヒット商品となった。
それに飽きたらず、仕込み粕で珍しいキノコを栽培し、食用として広めようと考えた佐藤さん。自ら各地を歩いて見つけたのが、強靭(きょうじん)な歯応えがあり、「山の肉」と称されるブナハリ茸。菌床栽培に世界で初めて成功し、グループ会社のレストランでメニューに並んだ。さらに薬効にも注目し、特定保健用食品の開発に結びつけた。
失敗もあった。ブナハリ茸の試験栽培を頼んだ農家では、胞子の影響で、もともと栽培していたマイタケが全滅し、自腹で数百万円の賠償費用を支払う覚悟を決めたことも。専門分野が医薬系ではなく、マウスを実験に使う技術もなかったために、自らブナハリ茸の乾燥粉末を飲んで血圧や血糖値を測定していたところ、上司に「人体実験とは何事か」と怒られた。
血圧が高め(収縮期で159〜130mmHg)の60人を対象にした製品摂取試験で確認された血圧降下作用は、グラフの通り。ブナハリ茸に含まれる「イソロイシルチロシン」が、昇圧作用のある体内ホルモン「アンジオテンシンII」をつくる「アンジオテンシン変換酵素」(ACE)の活性を抑えるなどして、血圧を降下させる。
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