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【大阪 食の誘惑】戸田商店 「旦那」が支えた料亭 (1/2ページ)
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大阪は“安くてうまい”庶民的な食だけでなく、それを味わうことに贅(ぜい)を尽くす高級料理が発展した地でもある。
“値のはる”高級料理を供する店の代表が料亭であり、江戸時代以来、この料亭を支えてきたのが大阪の商人だ。商人は自ら食を楽しむだけでなく、商売相手をもてなすために料亭を利用した。そのことが、「食する場」=「もてなしの場」となる料亭の地位を高めたのである。
「もてなしは茶事の心得。大阪の商家の主人で旦那(だんな)と呼ばれた人たちは茶をたしなむ数寄者だった。だから、客人を迎える気持ちで料亭に注文をつけた」と話すのは、老舗の道具商、戸田商店の戸田博社長。戸田商店は茶道具のなかで最も価値の高い「寂(さ)び道具」を商う。大阪市中央区伏見町にある店は江戸時代から続き、現存する道具屋では日本でいちばん古い歴史をもつ。
茶の世界に造詣の深い戸田社長は「器や空間も含めて料理を味わう茶懐石を経験すれば、おのずと五感が研ぎ澄まされる」という。
「茶人として味覚をはじめ感性を磨いた旦那。素材の探求と料理の技を磨いた料理人。両者が一体となり客人をもてなそうとする心が大阪の料亭料理を発展させた」
さらに「旦那は食べ歩く人だった。現在と違い食の情報が少ない時代には、料理人よりも旦那のほうがおいしいものを数多く知っていた。だから、料亭に限らず大阪の料理人にとって旦那の感想や意見は大いに参考になったはず」と、旦那の大阪の食に果たした役割の大きさを話す。

