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【溶けゆく日本人】快適の代償(6)金融教育の怪 金もうけはすばらしい? (3/3ページ)

2007.11.20 08:08
このニュースのトピックス10代
キッザニア東京の職業体験の様子。発言内容を書き出したり、損益分岐点のグラフを表示するなど、まるで本当の企業の企画会議みたいだ=東京都江東区のキッザニア東京キッザニア東京の職業体験の様子。発言内容を書き出したり、損益分岐点のグラフを表示するなど、まるで本当の企業の企画会議みたいだ=東京都江東区のキッザニア東京

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 関係者は極めてまじめで熱心だ。しかし何かがずれていないか。

 何が悪いということはない。だが、こうした金融教育の先に透けて見えるのは、最近話題になる中学生、高校生トレーダーたちの後ろ姿だ。10代の子供たちがゲームやクイズで本格的な金融知識を覚える必要が本当にあるのだろうか。

 子どもの経済教育研究室代表の泉美智子氏は「お金のことは他人から教わるものではなく、まず親が子供に話すべきことです。企業がリードする現状のままだと顧客獲得の“青田買い”になりかねない」と話す。

 教育評論家の尾木直樹氏は、政府の“貯蓄から投資へ”の金融政策がブームの追い風になっていると分析する。「中学2年までは大事な人格形成期。大金を見せるなら、同時にその場で働く意味やお金を得る苦しみを教えないと労働そのものや自分の親を軽視することにつながる。今の金融教育の大半はマネーゲームの緊張感を味わう体験学習にすぎない」と批判する。

 村上ファンド前代表の村上世彰被告は、小学4年の時に父親に「稼いでみろ」と渡された100万円を運用したのが投資家の原点だった。IT時代の寵児(ちょうじ)だった前ライブドア社長、堀江貴文被告は「お金で人の心も買える」と豪語した。経済アナリストの森永卓郎氏は「彼らは企業の文化やそこで働く従業員の気持ちも斟酌(しんしゃく)できず、金もうけでもルール違反を犯した。お金がお金を生むことを未成年が覚えたら、ろくなことにならない」と断言する。

 ある大手銀行は金融教育について「賢い金融消費者が増え、優れた投資商品を選べる人が増えれば、結果的に豊かな生活が送れる人も増える。金融教育の活動はその土壌作りのようなもの」と説明する。まじめに語られたこの言葉はどう聞こえるだろうか。(小川真由美)

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 《メモ》金融広報中央委員会は平成17年末から18年3月にかけて、「子どものくらしとお金に関する調査」を実施した。「お金をたくさんためたい」は、小中高全世代で約9割が「そう思う」と回答。お金についての意識で、小学校低学年は「お金が一番大切」「お金持ちはかっこいい」が約3割を占め小学生の中で最も高い。高学年になるにつれ「お金よりも大事なものがある」という回答が増える。一方で、「お金はコツコツと働いてためるもの」との考え方に対しては、中学生が74.9%に対し、高校生になると66.2%に減少。逆に「お金を利用してうまくかせげるならそれにこしたことはない」「お金もうけはすばらしい」は、中学生より10ポイント以上高かった。

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キッザニア東京の職業体験の様子。発言内容を書き出したり、損益分岐点のグラフを表示するなど、まるで本当の企業の企画会議みたいだ=東京都江東区のキッザニア東京
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