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【わたしの失敗】料理人・神田川俊郎さん(67)(2)

2007.10.31 03:40
このニュースのトピックス食・グルメ

 ■生きたアラにビックリ

 一世を風靡(ふうび)した料理番組「料理の鉄人」(平成5年10月〜11年9月放映、フジテレビ)に、神田川は挑戦者として、また、鉄人に挑戦する弟子たちの後見役として度々出演した。挑戦者が和、フレンチ、中華の鉄人(9年からはイタリアンも加わる)から1人を指名し、1時間以内で料理をし、審査員が勝敗を決める。

 神田川が「えらい失敗。きょうは負けや」と覚悟した対戦がある。二代目和の鉄人、中村孝明に挑んだ「アラ(クエ)対決」(9年12月放映)だ。中村は当時、名門料亭「なだ万」の統括料理長。若いころなだ万で修業した神田川にとっては後輩になる。

 テーマが発表されるといけすの中を泳ぐ大きなアラが出てきた。神田川は「どうせ死んで出てくる」と思っていて、意表を突かれた。

 「アラは22、23キロはあって、調理台の上で暴れた。孝明君の方は専門の魚屋の人がしゅーとさばいた。こっちの助手役に『アラをさばいたことあるんか』と聞いたら『初めてです』って」

 神田川は生きのいいアラと格闘。この時点で大幅に時間をロスした。「慌てたわ。もう間に合わへんとおもた」

 判定の結果は神田川の勝利。中村は2連敗中で「もしこの勝負で負けたら鉄人を引退する」と宣言しており、神田川がなだ万の後輩に引導を渡す形になった。

 「僕がやめさせたみたいになってしもて。言わんでいいのに言うたから、あんなことになったんや」

 一方、初代和の鉄人、道場六三郎との「ブリ対決」(7年1月放映)は「絶対に負けてない」と振り返る。このときは道場への挑戦権を得るため神田川を含め4人の料理人による予選を実施。神田川と道場は宿命のライバルという位置づけで、双方の派手なパフォーマンスも番組を盛り上げた。ちなみに2人は個人的には親しい。

 神田川は日本料理らしい7品、道場は意外性のある5品を作る。審査員の判定は僅(きん)差で道場の勝ち。しかし、「今戦ってもええ勝負になるやろね。でも、あれは完全に僕が勝ってた」と譲らない。

 昭和40年代からテレビ界で活躍してきた神田川は、料理の鉄人を「日本の料理のレベルを上げるきっかけになった番組」と評価する。=敬称略(青木勝洋)

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