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【食にメス】悪質だった赤福餅 周到に準備された「偽装」

2007.10.18 08:09
このニュースのトピックス食の偽装

 伊勢の名物「赤福餅(もち)」が、製造年月日を改竄(かいざん)していたとして、JAS法違反で摘発された。出荷・配送段階で余ったものを冷凍。後日解凍し包装紙を取り換え、解凍日を製造日として消費期限を再設定し出荷していた。

 小売店でいう「リパック」である。売れ残ったもののラップをはがし、再度機械にかけてラップをすれば、自動的にラップをかけ直した日を製造日として消費期限を印刷してくれる。昨日作ったものを、今日作ったかのように偽装するのである。

 こうした行為を赤福では「まき直し」と言って34年間も行っていた。最近の3年間では製造された商品の18%にあたる約605万個にものぼった。この数字は、残ったものを冷凍したというより、残ることを前提に製造していたといえる。注文が多かったときに、品切れにならないようにするためである。どんな業界でも「あれば売れたのに」というチャンスロスを極端に嫌う傾向がある。利益追求が強い企業ほど「売り切れごめん」が許されない。

 しかし、解凍すれば水っぽくなるし味も落ちるはずだ。解凍マグロを生マグロとして販売していたことと同じである。しかも、あの餡(あん)の波打つ形が崩れないのは驚きである。スチーム解凍という方法で、いかにもできたてのように見せかけていた。金もかけ周到に準備された偽装である。ホームページでは「製造したその日限りでの販売をしています」と紹介していた上、消費者に解凍赤福餅を生と思わせるために、解凍したことを隠し、生の赤福餅と混在させて販売していた。

 伊勢神宮のお土産が利益追求に没頭し、30年以上も消費者をだましつづけ、老舗の名も汚したのである。やっと神様のバチがあたったのだが、どうも赤福側は悪質な行為と思っていないようだ。「だますつもりはなかった」とか「問題ないと思っていた」という言い訳は通用しない。そこには明らかに「消費者をだましてやれ」という悪意がある。

 赤福は、もう一つ許せない違反を犯している。加工食品には、原材料名を「重量の多い順から表示する」という規定がある。本来「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを「小豆、もち米、砂糖」としていた。明らかに「砂糖は少ないぞ」と消費者にアピールしたいためである。そこには、こし餡がたっぷりの赤福餅だからこそ、少しでもヘルシーに見せたいという意図が見え隠れする。

 赤福側は消費者をだましつづけようとしたが、内部か外部かわからないが、今回も市民の告発から発覚している。悲しいことだが、信用第一の老舗ですら偽装をする時代である。偽装を知りながら「食品衛生法上問題ない」としていた保健所も情けない。今後も勇気ある告発を期待するしかないのだろうか。(食品問題評論家 垣田達哉)

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