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【記者が挑戦】アラビア書道 華麗な造形に魅せられて

2007.10.1 08:07

 いま日本でジワジワと愛好者が増えているというアラビア書道。ドバイやモロッコなど中東諸国への旅で見かけた華麗な造形に魅せられる人が多いのだという。

 その作品が大英博物館に展示されるなど、第一人者として知られる本田孝一・大東文化大教授の指導を受けられると聞いて早速、サウジアラビア大使館付属アラブイスラーム学院(東京・元麻布)の教室におじゃました。

 ところが、静かな教室で右から左へスラスラと筆を動かす生徒さんたちの姿に、ふと素朴な疑問が浮かんだ。そもそもアラビア語の基礎知識がない記者に、あの独特の文字が書けるのか?

 「アラビア語の文字はわずか28文字しかありません。言葉や意味を知らなくても、写経をするつもりで、まずは形を覚えることが大切」と、本田教授とともに指導する日本アラビア書道協会の山岡幸一事務局長。

 先生の美しいお手本通り忠実に。竹の先端を削った筆を握りしめ、まずは縦に線を引いたようなA、Uを平たく押しつぶしたようなB…。表面がツルツルのアート紙にゆっくりと書いていく。

 「筆先を均一に紙に触れるように」。教えられた通りにしても、文字は薄くかすれ、流麗なはずの曲線はヨロヨロ、ジグザグに。お手本とは似ても似つかぬ代物に、われながらびっくり。

 だが、白い紙に向き合い、一心に書いていると、不思議と心が穏やかになる。教室に通って3年目になる女性は「意味はわからなくとも、書いていると瞑想している気分になる」と話す。

 青いインクで絵を描くように「不思議の国のアリス」と書いていた女性は、名前をデザインした印鑑を作るなど自分流の楽しみ方を教えてくれた。基本をきっちりと身につければ、1本の筆で自由自在に文字に装飾を施し、自分の宇宙を表現できるのも魅力。

 もともとイスラムの聖典『コーラン』の教えを伝える役割を果たし、千年におよぶ伝統の中で洗練され書き継がれてきたアラビア書道。「すべての文字に幾何学的、図形的な規則があり、その書法を守れば誰でも美しい文字を書くことができます」と、本田教授に温かい励ましの言葉をいただいた。(中曽根聖子) 

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