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【主張】プルサーマル 運転通じ安全情報発信を

2009.11.7 03:07
このニュースのトピックス主張

 九州電力の玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)で、国内初のプルサーマルが始動した。

 使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランに加えた混合酸化物(MOX)燃料を、普通の原子炉で発電用に利用することがプルサーマルである。

 目的はウラン燃料のリサイクルだ。エネルギー小国の日本にとって、プルサーマルによる原子力資源活用の意味は大きい。それと並んで、核兵器の原料ともなるプルトニウムの保有量を減らしていくという意義もある。

 ともに、日本の原子力発電を安定的に継続させていくうえで、きわめて重要な課題である。

 にもかかわらず、プルサーマルに対しては、一部に否定的な声がある。その理由はプルトニウムを使うことへの忌避感に根ざしているようだ。だが、冷静に現実を見詰めることが必要だろう。プルサーマルには西欧諸国での実績がある。ベルギーやドイツでは1960年代から実施されているが、大きなトラブルの例はない。

 また、普通の発電用原子炉の内部では、ウランから生じたプルトニウムが核分裂を起こしていることも知っておくべきだ。発熱量の半分以上がプルトニウムによってまかなわれていることもある。

 今回の玄海3号機に装荷されたMOX燃料は、使用する燃料全体の10%以下にすぎない。

 安全上の重大疑念を探すのが難しいプルサーマルだが、日本での実施には大幅な遅れが出ている。約10年前に外国のMOX燃料製造会社などによる不正が発覚し、地元の信用を失ったためである。

 本来なら来年度中に16〜18基の原発で実施されるはずだった。だが、遅れの回復は難しく、電気事業連合会は今年6月、目標達成時期を5年先に延ばした。

 こうした渋滞傾向の中で先頭に立ったのが九州電力である。地元・玄海町の人々の理解に対しても敬意を表したい。

 プルサーマルについては、発電コストが割高になるという指摘がある。しかし、原子力発電の増強に向かう世界動向の中で、将来のウラン資源の逼迫(ひっぱく)は不可避であろう。その状況に備えるためにも核燃料サイクルは必要だ。

 九州電力に続く、四国、中部、関西の各電力のプルサーマル実施にも期待したい。問題がないことを運転を通じて実証し、安全情報を発信してもらいたい。

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