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【循環生活のすすめ】(22)「お金」も地産地消
オーストラリア東部、サンシャインコーストの山沿いにマレーニという小さな町がある。大通りには、小規模の商店やカフェが数十軒立ち並び、若者をはじめさまざまな年代の人の往来が盛んだ。一見ごく普通の田舎町だが、地元に根ざした協同組合の発展により、経済的に停滞し閉塞感にあえいでいた街が蘇(よみがえ)った例として世界的に注目された。
第一歩は、1978年にオーガニックフードを求める6人の住人が共同出資して「メイプルストリートコープ」を立ち上げたことだった。それによって、遠くまで出かけることなく地元でオーガニックフードを手に入れられるようになった。また、自家栽培した野菜も販売できたため、人々の間で交流が生まれ、次第に社交や情報交換の場になった。
この成功に手応えを感じ84年にできたのが、現在でもコミュニティーバンクとして大きな役割を果たしているマレーニクレジットユニオン(MCU)だ。ボランティア数人が集まり、この街で事業を始めたい人たちや移住希望者を支援するための投資を募った。融資は無担保で、地元に利益をもたらすことと環境に配慮することを条件にした。その結果、環境や自然保護、芸術、教育、福祉、リサイクルなどの分野で十数もの協同組合ができ、数百もの新規事業が次々に生まれ、街は飛躍的に活性化、人口も増えた。
MCUは、エコ住宅や低公害車の購入には低金利で融資し、収益の10%を助成金としてコミュニティーガーデンや公民館などの運営に役立てるなど、組織の利益ではなく地元住民の利益のために存続する。創設者の1人で、長年役員を務めてきたピーター・パマントさん(58)は「普通の銀行では遠く(地元外)でお金が回るが、MCUは常に地元の中で回る仕組みをつくった」と話す。
食やエネルギーのみならず「お金」も小さく循環させ、地産地消していくことで活力を取り戻し再生した街。競争原理ではなく協同原理による発展の姿がそこにはあった。(ホリスティックライフ研究家 心理セラピスト 村松さと子)

