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【正論】景気対策に「円高」のススメ 聖学院大学大学院教授・真野輝彦 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
「ばらまき」は許せぬ
原油や穀物価格の急騰が日本の家計と企業を直撃している。原材料や生活必要品の大幅値上げが連日のように発表される。他方、家計を支える給与の引き上げや企業の収益拡大が期待できない状況が続く。ガソリンの再値上げで、夏休みは“安近短”が合言葉となった。
国会のねじれ現象と総選挙近しの思惑から、肝心の景気対策は漁業者への燃料代給付など「ばらまき政策」への逆戻りが目立つ。この機会に、日本が直面しているスタグフレーション(景気後退と物価上昇の同時進行)への対応策を述べたい。
漁業者への燃料代(補助金)給付が浮上したのは、ガソリン代の急激な値上げによる。漁民の生活不安には同情を感じるものの、補助金の支給となるとにわかには賛成できない。
漁業者に補助を行えば、同じように原油燃料を使う航空・運輸業者、ハウス栽培者、最終的には家計への減税とその範囲が限りなく拡大しかねないからである。
世界最大の負債を背負う日本の中央・地方政府にその財源がないことは明らかである。このため、今回の内閣改造についても消費税引き上げシフトとの憶測が出るのだが、消費税の引き上げは、家計圧迫の追加要因となる。
また、赤字国債の発行による補助金支出は、政府の借金残高を拡大させ、日本の国際信用力を劣化させることになる。
WTO決裂の原因は農業
従来の農業補助金でも、その効果には疑問がある。日本の高い農産物関税は、農家への所得支援が農業の生産性向上に繋がっていないことの証左であり、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)の国際交渉の障害となっている。
153カ国が参加したジュネーブWTO閣僚会議は、農産物緊急輸入制限措置の条件交渉がまとまらず、7月末に決裂した。
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