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【リサイクル再考】続「ペットボトル」編(中)
■国内で生じる価値と雇用
「このままだと体力のない業者から倒産していく。住民は目先の利益は考えないはず。自治体は容リ協(日本容器包装リサイクル協会)に戻ってほしい」
こう話すのは、58に減った容リ協登録事業者の一つ、ジャパンテック(栃木県鹿沼市)の社長、古澤栄一さん(52)。本社工場は平成13年に創業。24時間稼働で年間1万6000トンの処理能力を持つ。17年には環境マネジメントの国際規格「ISO14001」を取得したこともあり、年間約2000人の小中学生らが見学に訪れる。
容リ協ルートは国内循環が基本で、同工場には約50自治体から買い取った使用済みペットボトルが集まる。異物を取り除いてから粉砕し、アルカリ洗浄など約25の工程を経て、高品質のペットフレーク(片)やペレット(粒)に加工。フレークは各メーカーに運ばれ、繊維が綿状になった「原綿」から糸となり、衣料品やバッグなどになる。
海外を含む広域リサイクルの危険な点は、国内リサイクルを空洞化させることだけでなく、輸出品が廃棄物なのか資源なのか、その線引きのあいまいさだ。使用済みペットボトルの中には、注射針や点滴の部品、たばこの吸い殻などさまざまな異物が混入しており、そのままでは輸出できない。
このため環境省は17年、強い悪臭などがある使用済みペットボトルの輸出は、廃棄物の国際移動などを禁じたバーゼル条約に抵触する可能性があると、自治体に注意喚起した。同時に輸出品がきちんと分別、洗浄、裁断されているかの確認も自治体に求めた。
しかし、今年3月の調査では、独自ルートで処理する市町村のうち46・8%が「そのままで輸出業者に引き渡さない」などの要件を定めていない。要件を設定しても現場確認しているのは45%、分別後の行き先を住民に情報提供しているのは4・6%だった。
独自ルートで処理する自治体が増えた昨年度と一昨年度、同工場では、使用済みペットボトルを稼働能力の4割しか集められず、従業員を3分の1に減らした。
古澤さんは「輸出向けに高く売却しても、1キロ当たり数円の違い。でも、国内で再生原料にすれば売却価格の2倍、製品にすれば4倍以上もの市場価値と雇用を生む。どちらが“得”か考えて」と話す。(村島有紀)

