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【産経抄】8月20日
このニュースのトピックス:景気
原油高で今年のお盆休みはちょっとした異変が起きていた。お盆時期10日間(8月9日から18日)の交通事故が激減したのである。事故と負傷者数は去年の同時期より2割以上減り、死者数は3割も少ない。日付別統計のある昭和45年以降では最少の記録だそうだ。
▼ガソリン代を節約しようとマイカーでの遠出をあきらめた人が多かったためのようで、鉄道の利用は増えた。いま流行の二酸化炭素(CO2)排出量削減にも大いに役立っており、原油高は悪いことばかりじゃない。
▼だからといって対策が不要なわけはない。1リットル1円上げるか下げるかで胃の痛む決断を毎日しているガソリンスタンド経営者の顔は見るに忍びない。釧路ではサンマ漁船のストライキもあった。いつも判断が遅い日銀でさえ「景気は停滞している」と認めざるを得ない状況に日本経済は追い込まれている。
▼グルジア情勢も緊迫したままだが、永田町はいまだ夏休みの惰眠をむさぼっている。ようやく福田康夫首相は、臨時国会を「9月中旬」に召集したいとの意向を明らかにした。公明党が主張する9月下旬よりはちと早いが、まだ1カ月近くも休むつもりらしい。
▼インド洋での海上自衛隊による補給活動の継続をめぐって与党の足並みが乱れているのも長い夏休みの原因になっている。パキスタンの政情が先行き不透明だからこそ、原油の安定輸送に欠かせぬインド洋の安全に日本も貢献すべきなのだが、野党と公明党の考えは違うようだ。
▼ならば国会で徹底的に論議するのがスジだ。待ったなしの懸案はほかにいくらでもある。国会議員は、大した用もないのに海外旅行したり、田の草取りと称して盆踊りをはしごして有権者の歓心を買うのが仕事ではない。