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【正論】「石油」頼みと「海」の交流 東洋学園大准教授・櫻田淳 (3/3ページ)
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外交思想の「柱」として
昭和40年代までは、日本も原子力推進船の開発に乗り出したことがあるけれども、そうした努力を再び始めるのか。あるいは、現在、主に自動車用に開発が進められている燃料電池は、将来には船舶用にも使われるようになるのであろうか。こうした具体的な「技術」の現状に関しては、筆者は、詳しく述べるに足る知見を持たないけれども、「化石燃料によって船舶を動かした時代」の後の世界のイメージを構想することは、化石燃料の有限性を考え併せてみても、決して無意味なことではないのではなかろうか。
いで大船を乗出して 我は拾わん海の富 いで軍艦に乗組みて 我は護(まも)らん海の国
文部省唱歌「われは海の子」の最終節は、明治期の「富国強兵」の大義を直截に反映したものと解されるけれども、日本の繁栄の基盤が「海」にあるという事情は、前に触れたように今でも何ら変わっていない。どのように、「海」を舞台にした諸国の人々の交流の条件を護っていくのか。
日本の対外政策の思想の中で第一の「柱」と位置付けられるべきは、このことである。そして、そのためにも、確かな「技術」の裏付けが要るということは、冷静に確認されるべきであろう。北海道洞爺湖サミットの中心論題であった「環境」が、「資源・エネルギー」や「技術」との関連で議論される度合いが高まっているのであれば、それは、なおさらのことである。(さくらだ じゅん)

