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【正論】「石油」頼みと「海」の交流 東洋学園大准教授・櫻田淳 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
「四面環海」の国、日本
1バレル当たり140ドルを超えるまでに至った原油価格の高騰、さらには温室効果ガス削減への要請に対応する意味から脚光を浴びているのが、ハイブリッド車や燃料電池車である。こうした新種の自動車の登場は、世を低炭素型社会の方向に導くのには確かな意義を持つ。こうした自動車の開発を先導しているのが、トヨタやホンダに代表される日本の自動車製造企業であることを考え併せれば、日本の「技術」に多大な期待が寄せられるのは、当然のことであろう。
こうした新種の自動車の開発を前にして、筆者は敢(あ)えて次のように問いかけてみたい。「それならば、どのようにすれば、石油に頼らずに船舶を運航できるのか」。実は、現在、原油価格高騰や地球温暖化に対処する観点から考慮されているのは、ハイブリッド車や燃料電池車の展開、あるいは路面電車の復活といったように、主に陸上交通の有り様に関するものである。加えて、空輸業界でも、たとえば日本航空は、非食物系バイオ燃料を用いたフライトを今年度中にアジア初の試みとして実施すると伝えられている。
しかしながら、こうした動きの一方で、「どのように船舶を動かすか」という議論が聞こえてこないのは、何故であろうか。折しも、原油価格高騰の結果、漁業組合が相次いで休漁する事態に至っている。「四面環海」の国である日本にとっては、その存立を支えるのは、船舶が運ぶ様々な物資である。この現実は、忘れられるわけにはいかないのではないか。

