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【環境立国ニッポンの挑戦】第4章 サミット前夜(5)カーボン・オフセットの革命 (2/2ページ)
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行政もこうした動きを後押ししようとしている。環境省は4月、「カーボン・オフセットフォーラム」を設立。企業やNPO法人(特定非営利活動法人)など、さまざまな関係者が参加し、情報交換や勉強会などを行うことで、普及への道筋を探ろうとしている。
北海道洞爺湖サミットでも、カーボン・オフセットが適用される。日本政府は開催中に排出されるCO2(約2万5000トン)と見合う形で費用を負担し、排出削減事業に寄付する。
ただ、広く普及させるには課題もある。同じ商品、サービスなら「少しでも安く」という消費者心理が強いからだ。昨年、日本郵政は55円のうち5円を寄付に充てるカーボン・オフセット年賀はがきを発売したが、1億枚の販売目標に対し、約1500万枚しか売れなかった。
JTBのツアーに参加した男性会社員(41)も「もし旅行代金3570円、オフセット料金330円と前面に押し出されていたら心理的に抵抗があった」と本音を漏らす。
三菱総研の橋本賢(さとし)主任研究員は「寄付行為になじみがない日本で、個人にオフセットへの支払いを期待するには限界がある」と指摘する。効果を疑問視する見方もあり、発祥の地・英国でさえ「削減努力を怠るための免罪符」と揶揄(やゆ)する声も出ている。
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だが、カーボン・オフセットには明確な効用がある。
「自らの排出量を意識することで、排出がコストであることを認識する。そのことを通じて排出削減の活動を促進する」。昨年11月に開かれた環境省の有識者検討会で、高橋康夫・市場メカニズム室長はカーボン・オフセットの意義をこう強調してみせた。
今回のサミットで日本が訴える「低炭素社会の実現」には、革新的技術の導入が何よりも効果が大きいに違いない。だが、国民1人ひとりの地道な取り組みも欠かせないはずだ。カーボン・オフセットは、われわれにそんな意識改革の必要性を提起している。

