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原油高が家計・経営を直撃 ファミレスなど関連業界で悲鳴続々

2008.6.4 19:42

 歯止めがかからないガソリンなど石油製品価格の急騰。相次ぐ食品値上げに耐えてきた家計はさらに圧迫され、消費者の節約志向が一段と強まるのは必至だ。ガソリン高で直接影響を被る自動車販売だけでなく、自動車の普及に伴って成長したロードサイド(幹線道路沿い)店舗などの関連業界や、燃料高に悩む業界でも悲鳴が上がっている。

 「車での来店客が多いロードサイドの店舗ほど厳しい」

 ファミリーレストラン大手、サイゼイリヤの正垣泰彦社長はこう嘆く。全店約760店のうち7割を占めるロードサイド店の5月既存店売上高は前年同月比4%減。既存店全体ではガソリンが急騰した昨年10月以降、8カ月連続の前年割れだ。

 業績への影響は深刻で、柴田良平取締役は「ガソリン高の影響は予想以上」と、原油相場の先行きに気をもむ。このため、「今後の出店は駅ビル内や駅前に絞り、郊外店は閉鎖していく」と対策を練る。

 長崎ちゃんぽんのリンガーハットも、郊外でも客足の落ち込みが小さい大型ショッピングセンター(SC)への出店を強化し、“ついで客”の取り込みを狙うなど、外食チェーン各社は自己防衛に懸命だ。

 高排気量は多い輸入車の販売も直撃を受けている。独メルセデス・ベンツの今年の販売台数は4月までの累計で前年同期比6・4%、BMWも7・9%と大幅なマイナス。

 輸入車販売のヤナセ担当者によると、ベンツでも上級車種の「Sクラス」や「Eクラス」の落ち込みが激しく、「富裕層の購入意欲が落ちている」という。

 一方で、燃費性能の高いトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」は4月の販売実績で39%増と絶好調。関係者は「モデル末期の現行車が売れるのはガソリン価格が影響しているとしか思えない」と、複雑な表情をみせる。

 さらに、意外な業界にも影響が及んでいる。「わずかな値上げでは焼け石に水。値上げで客足が遠のくのが心配」。都内の銭湯からは悲鳴が聞かれる。

 6月中旬にも料金を大人430円から450円へと2年ぶりの値上げに踏み切るが、東京都浴場組合は「燃料費が1年で6割近く上昇し、値上げしても採算ラインの480円に届かない」とあきらめ顔だ。

 第一生命経済研究所では、ガソリン急騰の元凶である原油相場が現在の1バレル=130ドル程度で推移すると、家計負担は昨年に比べ年3万9340円増えると試算。150ドルに上昇すれば4万5967円、200ドルで7万4756円に跳ね上がる。

 同研究所の柵山順子・副主任エコノミストは「賃金が増えないなかでの急騰だけに、消費者の購買力が相当奪われている」と指摘する。

 原油高によるコスト増と節約志向による売り上げ不振で企業の業績が悪化し、賃金がさらに抑制され、消費が一段と冷え込む“負の連鎖”に陥りかねない。

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