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北極の海氷4割減 温暖化の影響深刻 動物の個体減も顕著
北極域では地球温暖化が科学者の予測を超える速さで進み、グリーンランドの氷床や北極の海氷が急激に減少、ホッキョクグマやカリブー(トナカイ)の個体数の減少など影響が広範囲にわたって顕在化しているとの報告書を、世界自然保護基金(WWF)が24日、発表した。
各国の科学者の研究に独自の調査結果を加えてまとめた。「海氷が解けた結果、海が吸収する熱量が増え、これがさらに温暖化を加速させるといった悪循環が始まっていることを示す証拠もある」と指摘。各国政府に温室効果ガスの排出削減対策の強化を求めている。
2007年の北極海の海氷面積は、1979年から00年の間の平均量に比べて39%も少なくなったことが判明。13年夏には海氷が完全になくなるとの試算もある。
グリーンランドの氷床の縮小も進み、これが一因になって起こる海面上昇は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が推定しているよりも規模が大きいことが分かってきた。
ホッキョクグマはカナダや米アラスカ州の2つの個体群で温暖化によるとみられる個体減が顕著で、餌を取るのに欠かせない海氷の減少との関連が指摘されている。
カナダでは、餌が取れなくなった結果、数が86%も減ったカリブーの個体群があることが確認された。
WWFは、温暖化が原因の生態系の変化が北極域に住む先住民などの生活にも影響を与え始めているとの調査結果を紹介。「このままでは近い将来に取り返しのつかない影響が生じることになる」と警告した。
【用語解説】北極と地球温暖化
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、地球温暖化は北半球の高緯度地域で最も激しく進んでおり、それによる影響も大きい。21世紀末の世界の平均気温の上昇が2・8度でも、北極では4度を超え、最悪の場合は温度上昇が7度を超えるとも指摘されている。IPCCは、北極を、自然環境と地域社会で最も温暖化の影響を受けやすい地域の1つに挙げている。

