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【正論】問題は「どうして」の本質論 山野美容芸術短大教授・中原英臣 (1/3ページ)
温暖化で指導力を発揮する年に
≪年明けの番組には不満≫
年明けからのテレビは地球温暖化の問題を取り上げる番組が多い。1992年にはリオデジャネイロで「国連環境開発会議(地球サミット)」があり、1997年の「地球温暖化防止京都会議(COP3)」で京都議定書が採択されて以来、人類が直面している最も深刻な地球環境問題が地球温暖化であることは間違いない。2002年にヨハネスブルクで「持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)」が開かれ、昨年12月にインドネシアのバリで「COP13」が開催されたことからもよくわかる。
テレビを見て感じたことは、どの番組も地球温暖化によって発生したと思われる異常気象や環境破壊を紹介するだけで、根本的な視点が欠けているように思えた。テレビでは地球温暖化によって「何が起きているのか」ということはわかっても、地球温暖化が「どうして起きたのか」という本質的な問いがみえてこない。この問いに答えるために必要なキーワードは「壁」である。
地球環境問題が起きる前に人類に対する警告と思われる出来事が日本で起きた。1960年代に発生した水俣病やイタイイタイ病といった公害である。こうした公害と地球環境問題との間には大きな違いがある。それは、公害はある一定の地域で発生したのに対し、地球温暖化は地球レベルの環境問題という点である。水俣湾で起きた水俣病も神通川流域で発生したイタイイタイ病も、その発生はある特定の地域に限定されていた。
≪被害・加害者の区別なし≫
ところが、地球温暖化はこれまで地球上に存在してきた国境という「壁」を完全に超えてしまった。地球温暖化だけでなくオゾンホールや酸性雨も国境という「壁」を超えた問題といえる。だからこそ「地球サミット」が開かれ、「京都議定書」が締結されたわけである。地球環境問題が破壊した「壁」は国境という「壁」だけではない。地球温暖化は加害者と被害者の関係も変えてしまった。

