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【探訪】ケニア・ナクル湖のレッサーフラミンゴ よみがえった桃色の舞い
水面からスラリと伸びる真っ赤な脚に淡いピンクの体毛。長い首をクッと伸ばし、翼を羽ばたかせる姿はまるでフラメンコダンサー。湖面を埋め尽くすほどのレッサーフラミンゴが美しい舞いを見せていた。
ケニアの首都・ナイロビから北西へ約150キロ、広大なリフト・バレー(大地溝帯)にあるナクル湖。アルカリ性で広さ40平方キロメートルの湖では1日に200トンの藻が育ち、100万羽ともいわれるフラミンゴの胃袋を満たす。藻に含まれる「スピルリナ」という色素が、美しいピンクの体毛をつくる。
ペリカンやシギなどの水鳥も生息するほか、周りには多くの野生動物も集まり、重要な湿地の保全に関する「ラムサール条約」にも登録されている。
ところが昨年12月、湖の水量が大幅に減り、フラミンゴの大量死が発生した。一昨年、130万羽を数えたフラミンゴがわずか10万羽程度に激減してしまった。環境教育活動のために現地に派遣されていた青年海外協力隊の五反田環さんは、「干上がった湖のあちこちで大量の死骸(しがい)を見ました」と、当時の惨状を説明してくれた。
原因は閉鎖湖であるナクル湖への汚水の流入と考えられている。湖があるナクル市の人口が急増し、日本のODAで補修した下水処理施設が正常に機能しないなど、未処理の生活用水や工業廃水の流入が深刻な問題になっている。
また、専門家の間では環境汚染に加え、地球温暖化による大干魃(かんばつ)で発生した伝染病も一因とみている。
今年に入り、繁殖地のタンザニア・ナトロン湖からフラミンゴが大量に飛来したため、湖は例年通りの姿を一応は取り戻した。だが、乱開発や地球温暖化の影響がなくなったわけではない。ナクル湖は今後も「フラミンゴの楽園」としての姿を保っていくことができるのだろうか。
「当時は、あまりの変わりように湖から水がなくなり、フラミンゴもいなくなる夢を何度も見たほどです」
五反田さんの“悪夢”が現実にならないように祈らずにはいられなかった。(写真報道局 早坂洋祐)



